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「辺野古工事中断」しても、話し合いには赤信号
沖縄米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事が8月10日から9月9日までの1カ月間、中断することになった。菅義偉官房長官が8月4日の記者会見で語った。政府が暗礁に乗り上げた辺野古移設の打開策として打ち出したもので、沖縄県の翁長雄志との協議を集中的に行なう狙いだ。菅氏は「政府の辺野古移設について丁寧に説明したい」と述べているが、翁長氏は「辺野古移設は不可能と申し上げたい」と主張している。
従って、翁長氏が埋め立て承認を取り消し、政府が法的措置に基づいて本体工事を強行すれば、国と県の前面対立はさらに深刻になるだろう。内閣支持率が低下している現状を見ると、1カ月間の両者話し合いで決着させる見通しは極めて無理な気がする。
政府内に「辺野古の代替地」の発想は皆無なのだろうか。例えば安倍晋三首相の地元・山口県へ移設の勇断に踏み切れば、万事落着するだろう。ドラスティックな策をとらなければ、普天間飛行場固定化につながるわけで、安倍政権への批判はさらに強まるに違いない。
池田龍夫 (いけだ・たつお) 毎日新聞OB
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