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大混乱の安保法制審議

寄稿:池田龍夫

2015年9月3日

安全保障関連法案に反対する市民の抗議行動が全国的に拡大している。特に8月30日国会議事堂前の周辺を埋めた民衆は12万人に膨れ上がった(主催者側発表)。その状況をテレビや新聞の航空写真で見て、「60年安保騒動」以来の規模に驚愕した。

マスコミOB51人の問いかけで主な政治家の見解を報じていた。村山富市元首相、菅直人元首相、鳩山由紀夫元首相の反対意見を伝え、それぞれ安倍首相の強権政治を厳しく指弾していた。

他の政治家として細川護煕元首相の見解を詳報していた。「今回の安保法制の最大の問題点、あまりにも立憲主義が軽んじられていることである。安倍総理はよく欧米型の統治システムを有する国を『価値観を共有する国』と呼ぶ。その内容は自由、民主主義、法の支配などだが、それらを統一する近代国家の最大の柱が立憲主義である。・・・国会審議で総理が野次をとばし、野党幹部の質問に『○○さん、あなたは間違っているのです』と答弁するのは、あまりにも唯我独尊であり、合意形成を図るべき政治に禍根を残すことになろう。そのような手法で、違憲の疑いの強い安保法制を成立させることは、わが国の国益を損なうことになると言わざるを得ない」と厳しく指摘した正論に敬服した。

安倍首相がこれらの批判をどう受け止め、軌道修正するか、終盤国会の与野党攻防が極めて注目される。

池田龍夫 (いけだ・たつお)毎日新聞OB。

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