【NPJ通信・連載記事】練馬自衛隊基地ウオッチング~ダイコンと基地の街~/坂本 茂
練馬駐屯地で小銃射撃演習 迫る戦争法案
今、練馬駐屯地は
かつて、60年安保闘争時、練馬駐屯地には戦車50両が結集し実弾が配られ、自衛隊は首都東京の制圧と国民弾圧の治安出動を任務としていた。
現在はどうか、9月13日(日)戦車が結集されているか恐る恐る覗いてみた。
練馬駐屯地グラウンドには、関東東北水害で出動する災害派遣と大きく書かれたトラックなどが部隊ごとに勢ぞろいしていた。その脇で、イラク派遣や南スーダンPKOでも使用されているのと同じ装甲機動車(第一普通科連隊所属)4台と同部隊の小銃で武装した隊員たちが顔面にゴーグルなど使用していた。市街地戦闘演習か、駆けつけ警護の演習なのだろうか。謎めいた状況を展開していた。練馬区総務係によれば練馬駐屯地で9月15日から4日間、1日1000発の小銃による空砲や擬爆筒16発(ダイナマイトのようなドカーンと言う大きな炸裂音がする)など使用した訓練も予定されている。何を想定しているのか不明だ。これらの作戦はすべて国の命令で動いている。好き勝手に自衛隊が演習をしているわけではないようだが?
その、練馬駐屯地など全国の駐屯地では9月18日と19日と自衛隊の採用試験日も迫ってきた。
自衛官募集も悩みの種である”戦争法案”の影響でなかなか受験者が集まらない。
練馬区内の防災イベントでも自衛隊募集に必死
9月13日、自衛官募集などの任務の自衛隊東京地方協力本部練馬地域事務所は、防災フェスタとねりまの魅力2015(初参加)2ヶ所に参加してブースを出して自衛官募集を呼びかけた。
練馬区防災フェスタでは17の出展ブースがあった。目立つ位置にある自衛隊のブースなのだが、災害写真数十枚が無造作に貼られ風に揺られていた、盛り上がらずとても関心が薄いように感じた。
ブース前の3人の自衛隊員と3人子どもを連れたママの会話
ママ (おそるおそる)「タオルや手提げファイル頂けるんですか。3人子どもがいるんですが」
自衛官 「もちろん無料ですよ」
坂本 「皆様の税金でつくったものだけど、タダほど怖いものはありませんよ、ところでお子さん大きくなったら自衛官にしますか?」
ママ (自衛官の目の前で、大きな声で)「冗談じゃないわよ、今テレビでやっているじゃありませんか。戦争法とか国会で。とんでもありません、入ったら殺されますよ」
ママ 「ほらタダですって、みんなもらいなさい、次はカレー(1000食用意された)よ。これもタダよ」
自衛官 「・・・・・」
消防署のブースにて
練馬消防署が用意したちびっこレスキュー体験(ロープをつたって空中移動)もあった。
練馬駐屯地の祭りでは、自衛官募集であの手この手を使って子どもたちが類似した体験をするが、自衛隊と消防の大きな目的の違いを消防隊員に聞いてみた。「自衛隊はレンジャーが専門ですね。敵陣地などへの侵入が目的だと思います。私たち消防は人命救助です」と、大変わかりやすい説明であった。
自民党国会議員のポスター“命を守る政治”の文字が 剥がれかかっている
自衛官 上官や国は俺たちを守ってくれない
坂本 そうだな・・・黙ってりゃな・・・
国会議員の菅原一秀(自民)さんが区内のイベントにひょっこり顔を見せたので訴えた。「“命を守る政治”と貴方の大きなポスターが貼ってあるが、練馬区内の1万人をこえる自衛官とその家族守ってくれるのか。強行採決だけはやめてください、慎重に審議してください、と地元自民党の区議さんたちも訴えている。自民党を潰す気か」。日頃駅で会う、饒舌な早稲田大学雄弁会出身の国会議員は、なぜか沈黙のまま他の練馬区内のイベント会場に逃げるようにして立ち去った。しゃべれないほど都合が悪いのかもしれない。
自衛官 そいつも 俺たちを守ってくれない
坂本 一昨日も国会前の集会に行った 1万人の一人として国会へ向かって叫んだ「自衛官の命を守れ」と。あんたの仲間は部下を殺させないため、クビ覚悟で共産党に何度も何度も内部告発してじゃないか。国会運営が遅れているぞ。もう少しだ。明日から毎日国会に行って叫んでくる。お前もシャバに出て国会に散歩でも来な。まってるぜ。俺、テレビ局から取材に応じる現職自衛官を探すように頼まれているんだよ、“俺たちを守ってくれない”と、取材受けて。お願い。
自衛官 ありがとうございます、テレビだけは勘弁してください。まずいすよ!
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