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【NPJ通信・連載記事】選挙へ行こう~自民党改憲草案と参議院選挙@2016

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ママたちのひとりひとりから

寄稿:小柳英梨子(立憲主義の回復をめざす国分寺市民連合所属)

2016年7月4日

安保関連法に反対するママの会は「だれの子どももころさせない」を合い言葉に、安保関連法に反対し、反対するよう政党にもはたらきかけているママたちのグループです。

都道府県や市区町村など各地で有志が立ち上がり、それぞれが自主的で縦横無尽な取り組みをしている、縦関係のないグループです。

わたし個人はフレッシュな、いわゆる「311で目覚めた」「安倍政権に危機感を感じて」立ち上がった、という人間ではありません。

小学生の時、担任の先生から、広島長崎の原爆写真集を見せてもらい、高校の演劇部では第三次世界大戦や受験戦争、社会への反発心を描いたお芝居を作り、20代では街頭で核廃絶の署名を集め、911では「国益のためなら報復もやむなし」というネット右翼の芽生えを目撃してあがき、産後は介護と双子育児を同時に経験してこの国の福祉の手薄さに怒り、保育園民営化反対や小学校給食の民間委託反対に声をあげ、所属する別の女性団体の仲間と「安保関連法に反対する意見書を国に提出を」と求める陳情も提出してきました。

陳情について、市議会で補足説明に出席もして、意地悪な質問に舌を噛みながら答えもしました(国分寺市は意見書は、継続審議の後の審議未了にしてしまいました)。

今のお母さんたちはとても忙しく、なかなか運動が大きく広がらないことにずっと悩んできたひとりです。おそらく国会前や都会のデモには参加されている方もいらっしゃるのでしょうが、地元の取り組みではなかなか合流できずにいます。 それでも「やれるだけのことをしなくては」と思って、ちょっとでも敷居が低くなり、先入観を捨ててこの問題に向き合っていただけるのならと、たった一人から「安保関連法に反対するママの会@国分寺」を立ち上げました。 早速、保育園や給食の運動で出会ったパパママ、陳情書を一緒に出した仲間が企画を支えてくれ、3月に「絵本からの贈り物(暮らしの中の憲法)」、5月に「雇用と教育(大人もつらいよ子どももつらいよ)」という学習とお話のイベントを、開催する事ができました。

今わたしは11歳の双子を育てていますが、この子たちは経済成長が頭打ちの日本に生まれ、本当に激動の中を生きていると思います。 生まれて間もなくの大きなJRの脱線事故。中越、東日本、熊本などの震災。そして秘密保護法、安保関連法、改憲勢力の増長。わたしは「自分は育児に耐えうる人間に成長できたのか」ようくようく見極めて、せっかく勇気を持って高齢出産へと踏み切ったはずなのに、なんてとんでもない時代に育児する羽目になってしまったのか。子どもたちよ、うかうかした大人で本当にゴメンナサイ! と、思います。

このどうしようもない焦りや怒り、そして何にせよ、諦めてはいられない現実に生きているお母さん(お父さん)、という意味では、ママの会に出会っていようといまいと同じ条件、同じ環境の中でわたしたち日本のお母さん(お父さん)は育児をしています。このことは絶望と一緒に、希望でもあるのだと思うことにしています。

仮に意見が違っても、子どもたちは成長して、徴用される職業につくかもしれないし、もっとストレートに徴兵されるかも。戦争できる国とできない国には、大きな違い、隔たりがあります。その環境にいることは、意見がどうあっても逃げたりできません。日本にいる限り。

ママの会の役割は、この「同じ環境」を、ひとりでも多くの方と情報共有して変えていく、時には大きくアクションし、最低限投票に行き、主体的に自分たちの未来を築く代表者としての政治家を選び育めるお母さんになるきっかけづくりなのかなぁ。と、思います。そして「一緒にスタンディングをしましょう」と、声をかけてくださる、憲法カフェを開いているグループにも出会えました。 ママの会@東京の皆さんと、親子で楽しめる企画を考えたり、選挙に行こうというチラシを作ったり、市民連合@国分寺の皆さんと、東京19区で野党の統一候補を出せるような取り組みもしています。

秘密保護法の強行採決のとき「風通しのいい社会で子育てしたい」というイラスト付きの手書きのボードを持ち、電車に乗ろうとすると、「国会に行くのかい?僕は行けないから託します。がんばってきてください」と、同世代の見知らぬ男性に声をかけられました。それがわたしには「基本は地元で声を上げ続ける」「行けるときは大きいところにも行く」という励みになっています。

なかなかくっきりと目に見えなくても、言いたくても言えない人はいっぱいいる。それなら言わずにはいられないわたしには役割があるのだと。

参議院選挙、都知事選挙と続き、おかしな、べからず選挙法のおかげでやれることから模索しての窮屈さはありますが、この一連の取り組みで出会った方々の思いを大事にしながら、確実に歩んで、安保関連法、そして改憲を絶対にストップさせます。

できれば年内に地元で、パパママが楽しく歩ける平和パレードをしたいです。

すべてのママへ呼びかけます。

一緒に未来を変えましょう。

わたしたちの子どもたちひとりひとりの夢と希望が花開き、誰の子どももころさせない平和な未来を選び取りましょう。

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