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【NPJ通信・連載記事】選挙へ行こう~自民党改憲草案と参議院選挙@2016

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強化される東京の横田基地

寄稿:前田眞敬(あきる野9条の会事務局長)

2016年7月5日

何年か前のことである。畑仕事をしていた近所のご婦人と道端に座って選挙の話をした。

「また戦争をする国になっては困る」と彼女は言った。「戦争っていうと漠然としているけどあれは人殺しをやるってことよ」と言って終戦間近の8歳のころに見たことを話してくれた。

米軍横田基地から飛びたったC130Hという大型輸送機が私たちの頭上で低空飛行訓練を頻繁に行っている。彼女は言う「あの当時だってこんなに低く飛んでこなかった。狙われているようで怖い」と。

私の家は横田基地から多摩川をはさんで2キロほどのあきる野市の東側にある。

市内上空で米軍輸送機の低空飛行訓練が行われるようになったのは2012年、アラスカの米陸軍100名によるパラシュート降下訓練が始まってからだ。米空軍のオスプレイCV22の横田配備検討の報道があったのは2013年7月のことだ。その後も低空飛行訓練や輸送機からの部品落下、オスプレイMV22 (注) の横田飛来でもその都度市民の安心安全を守るようあきる野市に対して要請行動を行ってきた。市もその都度国(防衛省)に対して申し入れを行っているが、国からは何の回答もない。防衛省交渉にも参加したが「丁寧に説明し理解を得ていく」との言葉とは裏腹に米軍のメッセンジャーを果たしているだけだ。

米空軍の特殊作戦司令部が横田基地にオスプレイCV-22を 2017 年下半期に3機、 2021 年までに 7機配備するとしている。

横田基地が特殊部隊の司令部に変貌する。

オスプレイ配備に伴う駐機場、格納庫、運用・貯蔵施設、シミュレーターの建設費も計上され、特殊作戦飛行隊要員 430 人、家族を含め 1,100 人を受けいれるという。

政府は 5 月 17 日に閣議決定した、民進党の近籐昭一議員の質問主意書への答弁書で、CV22 オスプレイの訓練項目を明らかにしたが、横田周辺の訓練は離着陸、人員降下、物料投下、編隊飛行、夜間飛行の五項目を挙げ、詳細については「米国からこれ以上の説明は受けておらず、答えるのは困難」としている。

これを見てもアメリカの言いなりである。首都東京の横田基地が強化され、私たちの空の安全がさらに脅かされる。

安倍政権は新日米ガイドラインを結び、平和安全法制(戦争法)を強行した。
私たちの空の安心安全を守るためにも、戦争法の廃案を見据えた運動が必要であり、この参議院議員選挙もその立場で臨んでいきたい。

注:オスプレイMV22は海兵隊仕様で普天間基地に24機配備されている。CV22は空軍特殊作戦仕様で33機保有(内イギリスのミルデンホール空軍基地に10基配備)

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