NPJ

TWITTER

RSS

トップ  >  NPJ通信  >  トランプ米国大統領の日韓訪問に関する共同声明

【NPJ通信・連載記事】読切記事

過去の記事へ

トランプ米国大統領の日韓訪問に関する共同声明

2017年11月7日

トランプ米国大統領の日韓訪問に伴い、我々はトランプ米国大統領に対して、軍事的緊張を高めた米朝戦争を解消の解決に向けて行動することを要請する。

2017年9月19日、国連総会に出席し、初めて発言した際、ドナルド・トランプ米国大統領は、世界の人民が1945年に国連を創設することにより結集した全ての理由を全面的に侮辱し、かつ軽視するような態度を示し、北朝鮮を完全に破壊する恐れがあるような発言を行った。国連憲章の前文には、以下のことが掲げられている。

「われら連合の人民は、
・われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代
 を救い、
・基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確
 認し、
・正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確
 立し、
・一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること
並びに、このために、
・寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、
・国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、
・共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保
 し、
・すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して
 、 これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。」

これらの目的を推進するために、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立したに他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」そして、「すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合の防止行動又は強制行動の対象となっているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。」

武力の行使に対する唯一の例外というものは、国連加盟国以外からの武力攻撃に対する自衛権のみであり、かつ、安全保障理事会が国際の平和と安全を回復するための必要な措置をとるまでの間のみである。

朝鮮半島に関しては、米国は1953年の休戦協定には決して従わなかった。休戦協定は、公式の平和条約を締結するための締約国会合で宣告された。このようなことは今まで一度も行われたことはなかった。休戦協定は、朝鮮半島から諸外国軍の撤退を宣告した。1950年代に中国軍は撤退した。米国は28,500人もの軍隊を韓国に未だに駐留させ、さらに、韓国は済州島に世界最大の米軍基地を構築した。実際は、米国軍隊による戦略的な前哨基地として使用されるという当初の公約に反し、米国海軍艦船が、済州海軍基地に頻繁に入港している。休戦協定は、いかなる諸国においても新に兵器を持ち込まれないことを宣告した。米国は後に撤去されたとはいえ韓国に核兵器を設置し、米国は毎年、韓国に対して数十億ドルの兵器を売りつけていた。韓国において平和の追求や他の漸進的な活動を行わない米国は、近年、世界で行われている戦争を隠れ蓑にして、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を促進した。

朝鮮半島における恒久的な平和条約である必要がある。

国際民主法律家協会(IADL)、アジア太平洋法律家協会(COLAP)、日本国際法律家協会(JALISA)、民主社会のための弁護士会・米軍問題委員会(MINBYUN)、ナショナル・ロイヤーズ・ギルド(NLG)は、この地域における平和及び安定を促進するための主要な方法として南北朝鮮の間の平和条約の発展を支持する。

加えて、我々はトランプ米国大統領、文在寅韓国大統領、安倍内閣総理大臣に以下のことを要請する。

1.継続的な戦争の脅威を伴う無謀な行動を止めること。
2.朝鮮半島の危機を増大させるような北朝鮮への威嚇を行うための韓国及び日本における軍事
 基地の使用を止めること。
3.文在寅韓国大統領及び安倍晋三内閣総理大臣は終末高高度防衛ミサイル(THDDA)の配備を含
 む、米国原子力航空母艦、戦略爆撃機、及び原子力潜水艦のような戦略兵器の開発を許可す
 るべきではないこと。
4.加えて、北朝鮮への威嚇を行う先制核攻撃に従う米韓戦略兵器を配備する米韓共同軍事演習
 及び、北朝鮮国務委員会委員長の斬首作戦に基づく戦略作戦は即座に停止されなければなら
 ない。
5.文在寅は、北朝鮮と米国間の軍事的対立を永久に終結させるであろう対話及び交渉を促進する
 ための調停役としての役割を果たすべきである。
 その過程において、「7.4南北共同宣言」、「6.15南北共同宣言」、「10.4南北共同宣言」を
 復活させる必要があり、南北朝鮮関係の改善を活気付け、かつ、達成するために旧来の対立
 を終わらせる必要があるであろう。
6.安倍晋三は、米国と共謀し、北朝鮮を抑止するための戦略をあきらめるべきであり、平和憲法
 における第9条の精神に伴う対話を促進するための公平な調停役であるべきである。

我々は、アジア太平洋及び世界における米軍基地から生ずる米国の強大な軍事力を伴う挑発及び軍事訓練に反対する抗議の声を上げることを国際社会に要求する。

2017年11月6日

            国際民主法律家協会(IADL)
            アジア太平洋法律家協会(COLAP)
            日本国際法律家協会(JALISA・日本)
            民主社会のための弁護士会・米軍問題委員会(MINBYUN・韓国)
            ナショナル・ロイヤーズ・ギルド(NLG・アメリカ)

こんな記事もオススメです!

米中露三大軍事大国に囲まれた日本ー「1984年」の全体主義世界における日本の立場 ー*

馬鹿げたウォーゲーム

防衛力抜本強化予算 = 5年間43兆円を上回る軍拡の兆し

国立大学法人法成立 : その先に見える景色と私たちの課題