【NPJ通信・連載記事】読切記事
明日の自由を守るために集団的自衛権の実例 ~うわ、結局戦争じゃん~ 2
国立国会図書館が5年前にまとめた、集団的自衛権行使の過去の実例集「集団的自衛権の法的性質とその発達―国際法上の議論―」(http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer2009.html)。
集団的自衛権の行使というものが、結局どういうことなのか実態をみていこう!というシリーズの第2弾でーす。知識を増やして、憲法記念日に備えましょう~(^^)/
4 米国/ベトナム(1965~75年)
米国務省は、北ベトナムに対する軍事行動の根拠として、南ベトナム政府からの要請があったこと、及び国連憲章第51条に基づく集団的自衛権と東南アジア集団防衛条約に基づく防衛義務を挙げた。(→泥沼のベトナム戦争のきっかけは、集団的自衛権行使)
5 ソ連/チェコスロヴァキア(1968年)
自由主義思想の影響が自国に及ぶことを恐れたソ連や東欧諸国は、1968年8月にワルシャワ条約機構軍を編成してチェコスロヴァキアに軍事介入し、改革運動を鎮圧した。ソ連は、国連安保理において、軍事介入はチェコスロヴァキア政府の要請に基づくものであり、国連憲章及びワルシャワ条約に規定された集団的自衛権に完全に合致すると説明した。
6 ソ連/アフガニスタン(1979年)
1979年12月、ソ連はアフガニスタンに軍事介入した。ソ連は国連保理において、この軍事介入は、アフガニスタン政府の要請に基づくものであり、二国間の友好協力善隣条約及び集団的自衛権を規定した国連憲章に一致した行動であると説明した。
7 米国/ニカラグア(1981年)
米国は、コントラ(ニカラグアの親米反政府民兵)への軍事援助、資金供与を行うだけではなく、ニカラグアの港湾に機雷を敷設し、空港、石油貯蔵施設などを攻撃した。そのためニカラグアは、米国の行為を国際法違反であるとしてICJに提訴した。これに対し米国は、自国の行為を、ニカラグアによるエルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカへの武力攻撃に対する集団的自衛権の行使であると主張した。後に国際司法裁判所(ICJ)で紛争になり,ICJはニカラグアに対する行動を集団的自衛権の行使とする米国の主張を退けた(!)。
(続く)
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