2012.7.12更新

練馬自衛隊基地ウオッチング〜ダイコンと基地の街〜

練馬平和委員会 坂本茂
目次 プロフィール
No.25
【行軍って 第39期レンジャー訓練のおまけです】
幼児泣く 市中行軍 配慮なし
作成:2012/6/23 練馬平和委員会


■行軍実施の4日前という住民説明会3回に高級幹部ゾロゾロ:
  防衛省内局数名/1等陸佐3名(東部方面隊・1師団第1部長・1連隊長)  2等陸佐5名(東部方面隊・医務官・法務官・1師団総務課長・1連隊) 3等陸佐5名(1師団広報班長・1師団渉外幹部など)  准尉1名(第3部) 3曹1名他公安警察数名など国側関係者延べ90名。住民延べ150名以上。 説明会に参加した女性は 「隊長さんは最初 “隊員の装備は小銃と小さなリックだけ” とおっしゃった。 途中から重い装備してコンクリートの上を歩く訓練が必要だとおっしゃった。どっちがほんとか教えて欲しい。 説明を聞けば安心できると思ってきたけど、隊長さんの説明を聞けば聞くほど、不安が増すばかりだわ。」 と質問した。

■当初計画:
  東富士演習場から荒川河川敷にヘリコプターによる降着、 練馬駐屯地まで約6・8キロ/歩道を2列縦隊/携行品:背のう・携帯無線・小銃(両手で小銃を前方で構え、銃口を下に向ける)及び左腰に銃剣 /人員:主任教官以下30名。行軍ルートに商店街。

■当日:
  テレビや新聞が大きくとりあげた。ヘリコプター降着断念陸路に変更。 陸自消防自動車と風向を目視で観測する吹流しの準備なし/2列縦隊から1列縦隊へ変更/携行品から無線機外し、 小銃は右肩にかけ銃口は上に向けロープで身体や背のうに縛りつけた /人数:警察官先頭にレンジャー学生17名警察含め50名に誘導員を増やし6班に分け行軍/商店街をルートから外すなど、 住民・商店街の店主・議会・自治体とかみあった裁判闘争が国を動かした。

■【行軍隊員は替え玉?役者か?】
  行軍隊員が名前や階級章・徽章を隠す。 鉄帽に枯れ枝が付着・襟が乱れ・小銃を身体に結びつけるロープの結び方結び目が乱れる・本当に第一普通科連隊の隊員だろうか。 もしかしたら役者か? ルートを間違え保育園児のお散歩と遭遇し園児たちが泣き出す場面NHKテレビが放映。 教官が 「歩道に入れ」 と号令しても車道を歩き続けるレンジャー学生たちの姿も見えた。足並みなど合うはずがない。
  *行軍隊形
先頭(3) オレンジ腕章・西岡2佐・無線機 黄色腕章・教官(左脇に赤紐) 黄色腕章・3曹・背のう    
1班(10) 警察官 オレンジ腕章・2佐・無線機・空挺レンジャー徽章 学生 学生・3曹 学生
  緑腕章・3曹・教官・レンジャー徽章 広報・3佐・無線機 警察官(警備課長) 警察官 警察官
2班(7) 青腕章・2尉・教官 学生 学生 学生・背のうなし 緑腕章・3曹・教官
  赤十字腕章・救護背のう・教官 広報・3曹・無線機・ビデオ      
3班(7) 青腕章・3曹・教官 学生・3曹 学生・3曹 学生・3曹 緑腕章・曹長・教官・鬼手仏心とレンジャーイラスト刺繍
  警察官 警察官      
4班(7) 警察官 青腕章・3曹・教官 学生・陸士長 学生・3曹 学生
  緑腕章・3曹・無線機 広報・3佐・無線機      
5班(6) 青腕章・2尉・教官・3中隊・レンジャー徽章 学生 学生 学生・陸士長・背のうなし 緑腕章・2尉・無線機
  広報・3佐・無線機        
6班(8) 学生・3曹 緑腕章・3曹・教官・無線機 学生 赤十字腕章・2曹・救護背のう 広報・無線機・ビデオ
  オレンジ腕章・2佐・無線機 警察官 警察官    
合計(50名)          
  * 陸上幕僚幹部幕僚長 陸将 君塚栄治さんは 「自衛隊は何をやっても許される」 という思い上がりで今回のような目立つことを試みたが、 やることなすこと後手後手にまわってしまった。しかし彼は来年もやると決意をあらわにしている。

6・12陸自? レンジャー行軍 想定外の結果!?
  陸自武装レンジャー行軍と一緒に歩いた記録だ。6月12日、午前7時30分高島平駅員さんの声から始まる。 午前9時、板橋区荒川河川敷を出発し午前11時陸自練馬駐屯地(練馬区)行軍終了まで約7キロの隊員や街の人々の様子を綴った。 自衛隊準機関紙 「朝雲」(週刊)は陸自第1師団(練馬区)創立50年を祝し企画された42年ぶりの市中行軍を扱わず。 さらに東部方面隊広報紙あづま(月刊)6月25日号も同様、練馬駐屯地内のレンジャー旗章授与式のみを報じた。


作成:2012/7/4 練馬平和委員会 
時刻
行軍ルート下のレンジャー学生や街の様子や住民の声。車両や歩行者の危険箇所。
7:30
高島平駅員「河川敷は大雨の翌日は冠水する、自衛隊は知ってて借りたのか。梅雨の時期は危険だ」と指摘する。陸自は荒川下流河川事務所で鍵を借り、荒川河口側に警察車両2台乗用車含め7車両(第一普通科連隊ジープ2/高機動車3<内レンジャ徽章付1>/救急車1)待機。ヘリコプター着陸に必要不可欠な吹流しや消防自動車が準備なし。
45
荒川土手に「行進反対」と書いたプラカードを持った住民集まる。散歩やサイクリング利用者あり。
51
警察車両荒川上流に向け先発。
8:00
自衛隊車両ライト点灯し荒川上流に移動開始。土手右側に日の丸、左側に行進反対のプラカード多数。
7
車両現地に到着。レンジャー要員配置。警官約30名配置。
13
1連隊空挺レンジャー徽章の2佐など2名がヘリコプター降着位置の草地ひろばの一部を確認。
15
練馬駐屯地よりマスコミ関係者を乗せた陸自マイクロバス到着。
18
土手に日の丸付きのワゴン車3台駐車。
22
レンジャー学生隊員(以後R隊員と略す)が乗った大型トラック(定員22人)到着。
28
マスコミの一団は師団広報の指示により大型トラック付近に移動。制服警官数人。
29
日の丸小旗が配られ始まる。財団法人日本郷友連盟東京都郷友会の旗も揺れている。
37
師団広報班長は住民に東富士演習場の天気悪いためヘリコプターが上がれないようだと住民にウソ説明。隣で聞いていたマスコミ関係者に笑われる。
49
大型トラックの後部の幌が開かれ、背のうを軽々二つも持つ隊員もいる。要員の隊員はR隊員の携帯している銃を身体脇に巻きつけ銃口は上に向けた姿に整えた。背のう背負えないR隊員2人。周辺は安全コーンを設置し立ち入り禁止に。カメラマン殺到。「行進反対」とマイクで演説が聞こえてくる。
50
R隊員は目はうつろ、あごはが上がり、ぐったりうなだれ、疲労感ですべての隊員は無表情だ。「徒歩行進」というおまけの住民向け晴れの舞台を演出するため、上司の命令で急いで身支度をしたのだろうばらばらな服装が目立つ。迷彩服にはアイロンがビッシと当ててある。反長靴は磨かれ綺麗だった。第1普通科連隊隊長は「レンジャ訓練は 3/16〜 6/15、富士地区の訓練は5月25日に終了した、練馬駐屯地に戻る一環で徒歩行進だ」と説明会でいっていた。その間お休みだったはずがない、これほどヘトヘトな隊員は見たことない。これで住民を守れるのだろうか。
9:00
行軍イベント開始。4月の陽気で肌寒い。後班は未だ準備中だ。隊員は名札や階級章を隠している。機動隊かアルバイトが行軍の替え玉レンジャーか?
3
6つの隊列が大きな土手を登って下る。とても斜面がきつく危険な場所だ。
4
初めて信号機のない車道に制服警官一人警備。工場地帯のため大型トラックや乗用車で上り下り車線渋滞や駐車車両多し、フォークリフトの運行、クラクションまで鳴らされる。6〜7人の隊列は車と車のごった返す歩道のない車道を左側で前進し、途中から車にはさまれ斜め横断して車道右側に変更し前進。一歩間違えば隊員や歩行者、報道関係者が車両接触事故が起きる危険箇所だ。日の丸を振って自衛官がんばれと声援。
9
ガソリンスタンド信号左折。右側路側帯を前進したためガソリンスタンドの営業妨害にはならなかった。
10
佐川急便営業所入り口、隊列が過ぎるまで大型トラックは停車を強いられた、佐川急便の運転手は全く行軍について聞いてないと言う。新河岸川一体は大型倉庫群のためトラック上下道渋滞激しい。細い歩道を警官と警官に挟まれR隊員が行軍する。
11
防衛省は隊列の先頭には隊員の胸や背中やヘルメットに「訓練中」というゼッケンなどをつけるといいながら一切表示せず。これまたウソ。
12
タクシー会社正門前通過。ここも知らされてない。右手は小銃のベルトに手を握り、左手はだらりと下げ、口を開け、うなだれて歩く緑色に塗った顔のR隊員たち。
18
R隊員第1隊、信号待ちし、橋戸大橋にさしかかる。車は上下道渋滞続く。
24
橋戸大橋でのR隊員は通行人をよけ専用歩道の左端を前進。
26
一般大型車両故障で都営三田線西台駅北側の道の真ん中で止まっている。
27
セブンイレブンの中からR隊員が見える。
29
西台鈴薬局前歩道で車椅子の年寄りと遭遇、R隊員はいったん停止。
30
西台駅前のコンビニの中からもR隊員が見える。
32
西台駅前沿道に500名くらい「学校・保育園・商店の前で訓練止めて!」とプラカード多数、宣伝カーなどで反対の演説と報道陣の中をR隊員前進。
35
ダイエーデパート通過、日の丸小旗と反対派ごったがえすなか、あごを上げボーットしながらただただ無表情に前進。日の丸おじさんは「胸を張れ」と怒鳴るがR隊員は聞こえないらしくボーット前進するのみ。警官多数、携帯でシャメールしている人々目立つ。
37
モスバーガ通過。今日が夏日だったら脱水症必至。師団広報や私服警官は行軍中携帯電話で連絡取り合っている。
43
蓮根交差点、女性警察官が交通整理。
48
交差点で待つR隊員はあごを上げ苦しそう、背のうなしの学生もボーットとしている。これから急階段の狭い歩道橋を渡る。
56
だらだら坂が続く西台2丁目の陸橋の上から観察、数名の地元の人が何でしょうかねと興味深そうに見ている。前列3人のR隊員通過、停車中のタクシーを大型トラック追い越し禁止区間のカーブを追い越す、危険だ。R隊員1班が陸橋の下にさしかかろうとしている。R隊員は前かがみに猫背になり歩調乱れる。
57
西台方面から来た乗り合いバス、R隊員をよけてセンターライン超えてカーブを曲がっていく、ここも追い越し禁止だ。左右の歩道ない路側帯は反対派や賛成派がR隊員の隊列と一緒に歩き続ける。
58
R隊員2班は陸橋の下にさしかかる。
59
R隊員2班陸橋の下通過。自転車に乗った自衛官OBは西台駅前交番でケースごと借りた馬鹿でかい日の丸を振って応援。
10:00
R隊員3班が陸橋の下を通過。
1
R隊員4班が陸橋の下を通過。5班橋に向かってくる。口を開けて苦しいそうなR隊員。
5
マスコミを乗車させてきた陸自マイクロバス陸橋の下を通過。
6
R隊員6班通過。最後部の要員2名陸橋の下に向かう。約10分間で陸橋の下を先頭集団からすべての隊列通過した。隊列の脇をタクシーがセンターラインオーバーしてカーブを抜いて行った。
9
お店の前をがんばれの日の丸を振って声援も。R隊員6隊最後の学生は最初から最後まで後ろの救護隊員に背のうを抱えられながらやっとの行軍であった。だらだら坂がまだまだ続く、右手に円福寺の大きな仁王様がマッターというように立ちはだかっている姿もR隊員の目に入らなかっただろう。私立保育園お庭の真横を通過。
10
交差点で一休み。
12
西台1丁目交番、交差点青信号まで15秒間の休息。肩で息している。西台町会掲示板に「いきいき暮らす緑と文化のまち“板橋”」と表示がある、板橋区には緑色の顔のR隊員と文化は似合わない。
15
R隊員は身体を傾け何度も腰をひょいっと上げる、背のうの重さで肩に食い込むのだろう。
16
マンションの続く町並みで、速く終わらねーかな〜と空を見つめるR隊員。路地裏の機動隊やパトカーなど路上駐車している。
17
R隊員の脇では、町工場に着いたトラックからの荷おろしに忙しい従業員「今日は何だ、聞いてないよ」。
21
公園脇では戦時中海軍兵士だった父親の遺影を胸に隊員たちへ無言で訴える女性の姿があった。昭和18年出征し昭和19年7月19日に戦士したという。R隊員のうち一人は遺影をじっと見つめていた。
23
R隊員6班の最後尾、西台3丁目住宅街や工場を通る。
26
板橋区から練馬区へ入る東武線踏み切り。板橋区側の交差点に制服の警官が一人いる。踏み切りの向こうとこちらから大きな声で行進ハンターイと聞こえてくる。日の丸の声援もある。
28
上り下りの電車が通過してやっと、R隊員が前進を始めた、すれ違いにお蕎麦屋さんの出前や自転車がスピードで走りぬける、杖をついたお年よりもよろけながら狭い踏み切りを渡っていく、大変危険な場所だ。
29
レンジャーおことわり! 命を守ろう! といったプラカード多数。テレビ局が反対する女性にインタビュー。R隊員は道路を斜め横断して電車が見える公園側へ移動。小さな子供たちがなにがおこったかわからず呆然と見ている。R隊員4隊目は道を間違えて環状8号線よりに右折するところを直進した。その影響もあり区立保育園児と、お地蔵様のある商店街交差点で遭遇、緑色に塗ったR隊員の顔をみて園児たちが泣き出した。
31
駐車場脇をあいかわらず救護係りが背のうを支えられながら下向きにやっと歩くR隊員。北一商店街の交差点を通過。
34
田柄緑道と北一商店街の間の通学路になっている路地裏を車道右側を通行。自転車修理屋さんや宝石屋さんなど商店主たちに聞けば「良かった、商店街を通らなくて、あんたたちの持ってきたビラみんなに見せたよ、高校生は危ないよねと言っていた。有難う」と一部の人たちの反対ではなく商店街の店主たちも一緒になって商店街を行進することを阻止した。
35
R隊員もうだめと目はうつろ手がだらんとたれていた。廃人のようなありさまだ。
37
R隊員が差し掛かった北町小学校正門前。テレビカメラが入り報道関係者でいっぱい。子供たちは何が起きたのか騒然としている、丁度、20分休みの時間帯だ。休み時間が終わっても子供たちは教室に戻らなく、先生たちが児童に速く戻りなさいと叫び続けた。師団広報班長は何を間違えたか小学校校門前で子供たちに向かって敬礼をして立ち去った。住民から「なにやってんだ止めろ」と批判の声が飛んだ。子供を学校に通わせるお父さんは唖然として「今回の行進の件で校長先生と話し合いを持ちたい」と自衛官を見つめていた。
38
校門を右折し自衛官官舎方面に前進、車道右側から斜め横断して左の歩道に差し掛かった、後列の隊員が「左歩道へ入れ」と怒鳴っているがR隊員はボーットしていて車道を歩き続けた。その後を数名の日の丸と30名を越すピースの旗を持った集団が続きコスプレデモ行進のようだ。
45
自衛隊官舎に先頭隊列から最後のR隊員6隊列が入り、なかなか出てこなく周辺ざわついでいる。暫し休憩だ。名誉あるエリート意識の高い頭号師団正門前でR隊員が倒れたら様にならないではないか。
46
住民が自衛隊官舎敷地に近寄れば警務隊がでかい声で「ここは防衛省の敷地だ出ろ」と怒鳴る。弁護士は「国民に対し威張った態度は如何なものか?」と一喝、隊員は静かになった。官舎内は白ヘルメットにMPと書かれた警務隊だらけとなった。正門前や沿道も警務隊と警官が警備している。練馬駐屯地正門前は川越街道を挟んで300人を越える人たちが反対のぼりやプラカード、労組や市民団体が演説。20名くらいの隊友会が日の丸小旗を振っている。
50
鬼手仏心とレンジャーのイラストのワッペンをつけたレンジャー教官が見える。やっと学生は官舎から抜け出し、反対派の待ってる正門に向かった。
51
ヘトヘトのR隊員もやっと終わるとまた空を見つめる。
55
R隊員は警務隊に支えられながら正門前の横断歩道をやっと渡り正門をくぐる。ほとんどのMPが名札も階級章も隠している。隊員たちは胸を張ってお仕事をしているとは思えない、やはり後ろめたさがあるのだろう。「軍隊はおことわり」というプラカードも目にする。
57
警官の一部は途中から交替。隊友会の人の姿も見える。警官に付き添われたR隊員は、腰をかがめやっとのおもいで歩く、顔の緑色は汗ではげはじめていた。前区議より「抗議のため集まる方が増えていき、その人数がピークのころでした。レンジャー部隊などを見て異常事態と感じた幼児は、お母さんの手をひかれながら“こわい”と言いながらこの場を立ち去った」と情報提供。
11:00
最後のR隊員が練馬駐屯地正門へ入る姿を報道陣の間から斜めから垣間見た。警官やMPの間を鮮やかなうす緑色のロープでつながれた二人のR隊員の姿を見て、まるで江戸時代の荒川の河川敷から駐屯地まで公開で歩かされる市中引き回しのように見えてしまったのは私だけであろうか。午前11時ほぼ状況終了。この後、マスコミ関係者は駐屯地の外から見えない目立たない場所でレンジャー授与式が行なわれ、R隊員と涙の家族との対面を取材した。


No.24
荒川土手(東京都板橋区)に住民など200名集結
陸自レンジャー訓練 ヘリコプター使用断念
2012/6/13

  レンジャー行進は強行されたが、安全を願う住民の声は当初防衛省が予定した危険な訓練が行政・議会と住民の連携により訓練内容が一変し、 不安が大いに解消された。

  防衛省陳情・住民説明会・裁判(市街地武装行進訓練禁止仮処分申し立て事件)・高島平警察署長や板橋区長への要請、 裁判を契機にマスコミが大きく取り上げ世論が鰻上りに。

  6月12日、午前8時、隊員にとって見れば雲が垂れ込め行進には肌寒く絶好な日だ。
  ヘリコプターからレンジャー部隊が降りてくる、何とか行進を阻止したいと住民たちが集まってきた。 荒川戸田緑道公園の土手いっぱいに反対する横断幕、賛成派は自衛隊がんばれと日の丸を配った。

8時22分:第一普通科連隊(練馬)の大型トラックが公園にゆっくり到着した。
   37分:第一師団広報班長は住民に東富士演習場の天候悪いためヘリコプターは飛ばないかもしれないと説明する。
      インターネットで演習場の天気を調べたが曇り北風2メートル。ヘリ飛べる条件だ。
      ア〜〜 また班長さんのウソがまた始まった、5月16日、 班長さんは練馬駐屯地内での住民との話し合い開口一番出てきた言葉は 「私はウソを申しません」。
      12分後。予想が当たった。やっぱりウソだった!!
  49分:まだ富士山にいると思ったレンジャー隊員が大型トラックのほろから次々と現れたではないか。
      レンジャー隊員はトラックの中にいたのだ。マジックショウでも見ているようだ。口からデマカセのお笑い広報班長だ。


荒川土手:「訓練中」 のゼッケンなしで行進出発

  「ヘリコプター(ラジコン)飛ばさないで」と、荒川戸田緑道公園の使用ルールに書かれている。

  4月9日、練馬駐屯地は気軽に板橋区役所へ 「ヘリコプター着陸するけど公園貸して?」  板橋区 「自衛隊さんだからいいよ」 こんな調子で板橋区は許可をしてしまった。
  子供が遊んでいてもバーベキューしていても自衛隊は利用者を排除できない内容の許可なのだ。
  双方とも大型ヘリコプターの爆音や風圧に危険性が理解していなかったようだ。
  雨が前日降らなくて良かった。
  何故?
  高島平駅の駅員さんに会場を尋ねると 「あの公園は大雨が降るとみんな水没する危険な場所だ、 梅雨時期に自衛隊は知ってて借りたのか?」 と首をかしげた。


西台駅前歩道

  警察が先導する自衛隊の訓練って仮装行列?
                    1万2千歩でも訓練なの?

  師団創立50周年 気合入れたが お粗末な結果!

  住民は3回開催された住民説明会で 「交通整理や事故対処にせめて警察官やパトカーを入れて」 とお願いしていた。 最後まで自衛隊は警察を入れないと言っていた。これもウソだった。
  150メートルの長蛇の列になるかと思いきや。なんと私服の警察官がレンジャーの前に出て歩き出した。
  「俺は知らないよ」 といっていた警備課長さんも私服でちゃっかり歩いていた、頼りになりますおまわりさん。
  小銃は銃口を上に向け身体に縛り付けてあった。これも前例がないが安全対策だろう。
  行進する隊列も2班から6班に増やし間隔もあけ、安全係も増やした。
  30名(当初の広報班長さんの説明)のレンジャー隊員の 「仮装行列」 は最終的に17名のレンジャー隊員(2人脱落、 2名は肩の負傷で30キロの重いザック装備なし)と教官や警察官など計50名に増員された。住民の要求で安全が大きく考慮された。

  荒川の土手で大きな日の丸を振っていた自衛官OBは 「友達から誘われて来た。 俺が西台駅の交番で日の丸の旗を見て “それ貸して下さい” というと、おまわりさんは “いいよ” とケースごと貸してくれた」 と言う。 小さな日の丸の旗はどうしたの? と聞くと 「宅配便で届いたダンボールをオッサンが開けて土手のところで配ってた」。と答えた。


西台駅交番で借りた日の丸

  しかし、「レンジャー訓練がわかるようになにか表示して」 という練馬区や住民の要望は完全に無視された。 住民が提訴した行進禁止を求める裁判において、国の答弁書で 「訓練実施中」 と記載したゼッケンなどを胸や背中やヘルメットに装着とするとしたが、 付け忘れたのだろうか。

  父兄の願いを無視し休み時間の子供たちの姿でごった返す北町小学校正門前(練馬区)はルート変更しなかった。 ルート近くの北町保育園の園長は 「とても困っている。その時間帯には子どもたちをお散歩には行かせない」 と語る。 迷惑をかけて何故強行するのか理解に苦しむ。

  コンビニの窓や公園からジャングル迷彩したペイント顔の隊員が見える、板橋や練馬はいつからジャングル地帯になったのだろうか。


コンビニの窓に武装自衛官の 「行軍」 が

  ゴテゴテでお粗末だね!
  防衛省関係者は 「急ごしらえの住民説明会など今回の訓練は住民や自治体などと自衛隊の信頼関係が途切れるだろう。 まだまだ、制服の上の人は “自衛隊は何をやっても許される” と思っている人がいる。申し訳ない」 と今回を振り返る。

No.23
レンジャー訓練まであと2日 森本さん これでもやるの?
やるのは かまわねーが
地元住民が納得しなかったら そっぽを向くよ
2012/6/11

  6月3日:戸田緑道公園出発地点(東京都板橋区)はヒバリが上空で、オオヨシキリが葦の中で盛んに鳴いていた。子供たちはザリガニとりで夢中だ。
  ヘリコプターの着陸する地点はバッタが飛び回ってクローバーで覆われていた。
  戸田緑道公園出発地点で10トン運転手は 「平日10時前後は車でごった返す、 こんなことをやってたら自衛隊は地元にそっぽを向かれるよ」 と笑いながら話した。


ルートに面した人々の声

  陸自武装行進ルートに沿って話を聞いてみた

戸田橋緑地草地ひろばで遊ぶ3才児を遊ばせる父親(31才):
  「ヘリ降りるの非常識だ」
ガソリンスタンド従業員多数:
  聞いてないよ! 景気悪い、自衛隊に取り囲まれ自動車入ってこれない、営業妨害だ。
西台3丁目バス停で待つ男性(77才):
  町会みんな反対している、自衛隊は外に出しちゃーいけねーよ。
踏み切りで電車を待つ女性(55才):
  知らないわ? なんの訓練なの? この踏み切りすぐしまるわよ。危ないんじゃない。
電車の見える公園で2才児を遊ばせる母親(29才):
  子供が泣き出すわ、平和なのに何故?
田柄緑道でベンチで座る男性(75才):
  通るべきじゃないね。東北まだたいへんなのに手伝って来い。

  皆さん厳しい意見を述べた。


ルートに面した人々の声


  6/8(金)第3回(最終回)説明会概要
  会場は行進ルートの近所の1回目の西台3丁目集会所(板橋区)に変わった。
  3階の会場にお年よりはつらい。
  禁止を求める裁判の85歳の原告がタクシーを使って会場に来るという、下級隊員は見かねて 「私、おんぶして3階まで連れて行きます」 といってくれた。 優しい自衛官の姿を見た。
  50名を超える不安を抱える区民が集まってきた。

  相変わらず幹部自衛官の隊長さんは脚本のQ&Aを見ながら1回目からずーと 「徒歩行進能力を高める訓練です」 と、くり返している。 覚えないのか原稿を読んでいる。
  隊長さんって。まるで田中防衛大臣のような人だ。説明会の言動を紹介しよう。
参加者:軍隊の階級で言うと?
隊長さん:大将です。…イヤ…間違いました大佐であります。
会場:爆笑
住民:裁判において国から答弁書が出た。隊長さんはレンジャーの隊列は17名になった、隊列の前と後に安全係りを配置するから安全だと言った。 国から出された書類の行進図表(march graph 資料1)などを説明せよ、あなた方の説明会で今まで言っていたことがでたらめだということが解った。 隊列の長さはは全長150メートル越すではないか?
隊長さん:レンジャー(学生)の中に支援する隊員を入れることを当初考えていた行進だ。 行進長径(軍隊用語 road space:行進する部隊の先頭から後尾までが、道路上に占める距離をいう)は安全上間隔をあける。
  * 口をスベラシタ隊長さんの隣の法務官が隊長を睨みつけ、突然マイクを持ってしゃべりだした。
法務官:裁判のことにつきましては我々の上級部隊が対応しており、裁判のことについてお答えする立場にございません。 中身は控えさせていただきます。
会場:なにいってんだ。現場のことだ説明しろ! こどもだましだ! 恥を知れ! 二枚舌! 会場騒然となる。

  住民の意見の概要だ
団地管理組合防災理事:西台駅は学生の登校時間帯だ。こんな危険な場所で訓練して事故でも起こったらあなたたちの首が飛ぶ。 森本大臣は大学に帰ればいいが、あなた方の再就職どうしますか?
隊長さん:コンクリートを歩き国民の生命と財産を守る。
会場:繰り返すな。
女性:北町商店街をルート変更した理由は? もっと交通量の多い西台駅前は変更できないか? 危険なので警察付けて安全に交通整理して? 無理なプランじゃないの。
隊長さん:私のほうから警察にどうこうするといえない。危険の可能性の低いところを…より安全ということで北町の商店街のルート変更をした。
男性住民:直下型地震になれば都市が崩壊する、瓦礫の山でアソファルトなんて歩いていられない。 歩行訓練がどういう必然性があるのか? 警察に道路許可書も提出してないと聞いている。安全性が疑問だ? ジャングルで迷彩に顔を塗るのは理解するが、 人ごみの中は意味ないのでは?
隊長さん:自衛隊の様々な事態に対応する基本的な武装して歩く訓練だ。行進の距離は十分あけるので安全です。
会場:同じことを繰り返すな! 馬鹿にするな! ちゃんと答えろ! 騒然
畳屋のおかみさん:ウチの畳屋は道路に面している、嫁に来て2度のショックだ。1回目は自衛隊の観閲式で戦車が通り家が揺れた。 2回目のショックは武器を持って歩く隊員です。豊かな街にしたいのです。怖いことはしないで。基地の中で訓練できないの?
隊長さん:法律に基づいてやってる。ご理解を。
会場:ちゃんと答えろ。
85歳の原告住民:今日、どうしても我慢できないのでお話します。私は西台駅の近くに住んでいます。 今日、国から裁判の書類が10数枚提出されました。そちらの隊長さん、現場で行進の指揮を取る人が何故説明できないの、疑問です。 こんな狭い歩道の駅前をどうして私たちが武装した自衛官の横を通れると思っているのですか? 傘をさしてどうして歩けますか?
隊長さん:小グループに分けて歩きます。ご理解を…。
会場:騒然となる
    ちゃんと説明しろ! 今日は帰れないぞ!
司会:広報に知らせてくれれば説明する。終わりです。
会場:隊長 逃げるな。ふざけるな。我々はすべて聞いてしまった。ひどい! なんの説明会なの?

  75分間の住民説明会は終了した。
  3回の住民説明会で賛成一人、残りはすべて不安を抱き反対した。賛成した女性の方も2列歩行行進から1列行進に変更した件は感謝していた。 これでも陸自武装行進を強行するのだろうか?

  最終日で住民の不安は解消されたのか?
  3回の説明会に参加した高級幹部など防衛省関係者はちょっと拝見しただけでも
  防衛省     :数名 内局
  1等陸佐(大佐):3名 東部方面総監部・1師団第1部長・1連隊長
  2等陸佐(中佐):5名 東部方面総監部・医務官・法務官・
                第一師団総務課長 1連隊
  3等陸佐(少佐):5名 1師団広報班長・1師団渉外幹部
  准尉    1名  第3部
  3曹     1名
  他
  他・練馬駐屯地隊員や情報保全隊・公安警察数名など合計30名。

  恥ずかしながらレンジャーバッジ外します。隊長の言い分ばかばかしくなっちゃった
  これらだけのすごい幹部の皆様が勢ぞろいしたようだが、説明会を増すごと士気の低下が目立った。
  当初、ダイヤモンドをあしらったレンジャー徽章を誇らしげに胸を張っていた隊員が、 説明会の途中でこそこそとレンジャー徽章を外していた姿を偶然見てしまった。
  東京地方裁判所にレンジャー行進訓練禁止を求める仮処分申請の決定が6月11日出される、外堀は埋めた。後は攻めあげるのみ。


No.23
2回レンジャー 「行軍」 訓練説明会に賛成発言が
2012/6/8

  レンジャー徒歩行進について現職の防衛省背広組や元自衛官に尋ねると必ず 「行軍だ」 という。 軍隊じゃないから行進でしょ? と再び聞きなおすと、「行軍」 と言う。行進とはあえて住民向けの言葉だとも言う。 表題の行進を 「行軍」 とかっこつきで表現した。


練馬駐屯地正門の広報板


  説明会Q&A(70分)
  第2回住民説明(北町地区区民館)は自衛隊高級幹部と公安警察30名と参加者50名が参加した。
  高級幹部など自衛官は目の前の駐屯地からマイクロバスで登場。隊員たちはコンクリートを歩くのが嫌いのようにみえる。
  2回目で数名の賛成派が出席。一人の女性が手を上げて大きな声で発言した。

住 民:意見を述べます。日本は竹島や尖閣・北方領土を取られ、スパイ天国・テロから日本を守れないで誰が守るのよ! そのための訓練が必要なのよ! 自衛隊はしっかりしてるから歩道での行進は4列でも2列でもいいわ、心を配られて1列を感謝します。自衛隊がんばれ!
 * 数名の賛成派が割れるような拍手に会場しらけムード。
 * 子供に見せたくないね〜のヤジも。
住 民:説明会の目的は?
自衛隊:不安解消が第一
住 民:訓練に想定何故無いの?
自衛隊:レンジャ訓練の期間は3/19〜6/15だが。5/25で富士地区での練習が終了した。 富士地区から練馬駐屯地に帰る途中コンクリートを歩いて歩行行進で前進し能力を確かめる訓練だ。だから想定は無いのだ。
住 民:前進という言葉は軍隊用語じゃないですか?
自衛隊:前に進みますと訂正させてください。
住 民:39回目でなぜ初めて武器もって行進するの?
自衛隊:ミサイル落下・直下型地震あるいはテロの恐怖が高まる昨今の状況を見て、 あらゆる状況に速やかに対応できるよう基本的な訓練として歩く訓練だ。
 * 住民から理由になってない理由を示せとヤジ多数。
住 民:2回の住民説明会で銃剣を携帯するといわないが、本当は携帯するんでしょう?
自衛官:言い忘れてしまった。申し訳ない。歯が研いでないから切れない、安心して。
住 民:「電車が見える公園」 を一周する怖いわ?
 * なんでも不安不安というな 時間厳守 静かにしてください とヤジ
自衛隊:なるべく驚かないようにする。
住 民:警察つけてよ?
自衛隊:パトカーとか警察付くか警察に確認させていただく。
住 民:子供たちやお年寄りが自衛官との接触事故で怪我しないよう警察を出して? 自衛隊は法律で交通整理できないでしょう。 今日高島平警察を訪ねたら警官も 「確かに心配だ誰が統制とるのかな〜」 と不安を述べた。
自衛隊:「検討させていただく」
住 民:こんな質問していいのかしら?
@ 町会掲示板には行進訓練と書いてあり、他の情報はレンジャー訓練と書いてある。どういうことですか?
A 住民説明会を開く前は自衛隊の皆さんは住民が不安になると思わなかったのですか?
B 狭い踏み切りを通過するとき配慮するとおっしゃってたが、住民や自転車と隊員がすれ違いながら通るということですね。 私は出会うのが不安で隊員にあったら止まっちゃうかもしれない。通行止めと同じになる。これも疑問だわ? 人がいっぱいいる時間帯に訓練しないで。
C 石井隊長さんは最初 「隊員の装備は小銃と小さなリックだけ」 とおっしゃった。途中から重い装備してコンクリートの上を歩く訓練が必要だとおっしゃった。 どっちがほんとか教えて欲しい。
D 当初の計画はレンジャー部隊が30名と説明だったが、17名になった理由は?
自衛隊:時間が来ましたからと、明日がありますからと明確な回答を避けた。


駐屯地内の独身官舎に窓ガラスに貼り付けられたレンジャ隊員への激励


No.23
地元住民による行進禁止の
      仮処分申請(東京地裁)が効いてきた

2012/6/7

  練馬駐屯地の最寄の駅は東武東上線東武練馬駅。
  6月6日夕方、ごった返す駅前で宣伝した。


東武練馬駅前:「ホントですか? とビラを読む子供たち」

  朝日新聞朝刊に出たの?
       なあに? とビラ1時間で700枚

  学生やサラリーマンが 「なんだ号外か。今日の朝日新聞に出てたやつ? 武器もって行進か」 「知らなかった? ここを通るの」 と。 700名のチラシを受け取った親子や友達同士踏切の開くのを待ちながら 「今日、説明会だって、なんかコエーからイカねーよ」 といいながら通り過ぎていく。

  たった5日間で 「周知」 した
       お粗末な前代未聞の 「住民説明?会」



急ごしらえの住民説明会会場

  1時間の駅前宣伝終了後、自衛隊主催の 「レンジャー住民説明会」 に参加した。
  自衛隊が数日前に急遽借りた西台3丁目集会所(板橋区)の住民説明会にはマイクロバスに便乗した高級幹部がそろった。 ひな壇の中央に第一普通科連隊(練馬)石井一将(1陸佐)連隊長。 脇には松尾幸成(1陸佐)、第一師団第3部長・宇田川信治(2陸佐)、法務官・蒲生義明(1陸佐)、総務課長の面々が勢ぞろいした。 その他高級幹部など30名が30名の住民を取り囲み、練馬駐屯地の広報と称する怪しげな隊員たちが終始ビデオをまわし続けた。 会場の外にはこれまた怪しげな警察らしい人々が会場の様子をうかがっていた。

  こんな怪しい 「住民説明会」 は初めてだ。自衛隊には便利で遠くの住民には不便な会場。
  なれない口調でレンジャー徽章を誇らしげにつけた隊長さんがザックをリックサックと言ってみたりやさしい言葉で 「説明」 を始めた。

◎ 当初2列歩行訓練を歩道1列行進にした。
◎ 北町の商店街(練馬区)は外し迂回する。
◎ レンジャー30名が17名に減った(脱落したのか理由なし)。しかし軽装の隊員を20名つける。合計37名になっただけだ。
◎ レンジャー訓練は3月19日〜6月15日だ。
◎ 当初、顔に顔料塗布・ザック・小銃・銃剣携行。今回の表現はドーラン・リックサック・小銃を携行とした。 *表現方法がピクニックに行くようなリックサックとは笑える。銃剣の携行が消えた。

  陸自
   「住民への返答はうかつなことは言わず 最小限にとどめよ」

  うん、いいこと言ってるじゃないか? と思いきや。
  39回目のレンジャー訓練は今まで基地の中でやってきた、初めて外でやる理由は?
  どうして銃を持つ必要があるの。
  怖いわ、子供がトラウマになる。
  ヘリが降りる河川敷に人がいたらどうするのか?
  歩道におばあちゃんが座り込んだらどうするの?
  人ごみでどくのがヤダといったらどうする?
  銃を持つ意味解らない。知らない人がいっぱいいるわ、どうするの?
  訓練場の中で出来ないか。
  今回一回で終わりか。

  思いつき回答・ウソばっかっり
  こんなばかばかしい珍回答も出た。
住民:飲まず食わずの隊員が歩道で倒れたらどうする?
隊長:隊員の顔色を見ながら訓練しているから大丈夫だ。
ヤジ:顔が迷彩でどうやって顔色を見るんだ
住民:爆笑

  山のような質問に隊長さんは防衛省の言い分とは違う 「訓練の想定は無い」 といい続ける。
  説明にならない説明に住民の不満は爆発した。誰として賛成の意見を述べない。
  「説明会」 が終わると住民よりさっさと回れ右と部下を残し帰ってしまった。

  自衛隊の常識は世間の非常識
  自衛隊の幹部は何をやっても許されるという考え方を持っているようだ。
  会場の下級の女性自衛官に私が 「あなたも女性でしょう、もしあなたに小さな赤ちゃんがいて迷彩の顔に銃剣を持った自衛官が突然現れたら、 赤ちゃんは恐怖のあまり何日もおびえてふるえちゃうよ、かわいそうと思わないか?」 と訪ねると、目を真っ赤にはらし、涙がこぼれうつむいてしまった。
  正門前で男性の下級隊員に 「レンジャー隊員を当日どうむかえるか」 と訪ねると、「みんなで出迎え拍手をします」 と誇らしげに語った。
  平時に自衛隊が住民に受け入れられない状況をつくっておいて、イザ有事のとき住民が自衛隊を受け入れない関係をつくってしまったようだ。


No.22
陸自 銃剣と顔には絵の具を塗って
レンジャー徒歩行進 「災害訓練」 だと

6月12日(火)午前8時から12時
東京都戸田緑道(板橋区)〜練馬駐屯地(練馬区)7キロ
2012/6/4

  田中防衛大臣は人のよさそうな人だが、リタイヤー寸前になにやらアメリカの言われたのか妻から言われたのか身の毛のよだつ命令を発した。
  住民が情報を得たのは4月18日だった。
  板橋区役所が偉い。板橋区危機管理室防災危機課を通じ4月8日付け練馬駐屯地から情報提供された 「レンジャー訓練実施について」 を4月18日に全区議会議員に配布したことから始まった。
  練馬区や板橋区内の市民団体や労働組合がこれは一大事と練馬駐屯地や各自治体へこととなりを訪ねる。 武装した自衛官が30人2列になって歩道を歩くルートで地元商店街などの人の声を聞く。 さらのレンジャー部隊って何か専門の弁護士を講師に勉強会を開催した。


北町商店街(練馬区)

  5月16日(資料1)と5月29日(資料2)、練馬駐屯地と練馬区内の住民の陳情で話し合い、さらに板橋区の住民は6月1日話し合いをした。
  以下のような会話があったどうか不明だが交渉の内容から想像してみた

【寸劇風に】
練馬駐屯地  「住民から随分前から陳情がきていますが・・・大臣どんなご命令ですか」
田中直紀防衛大臣 「ま〜その〜自衛隊の皆さん帝都防衛のため40年ぶりに武器もってアスファルトと人ごみになれよ〜もちろん駅前も。 え〜そうだ大名行列をやった川越街道、そうだ、北町の商店街が特にいいな。表向きは災害訓練だ。」
練馬駐屯地   「住民は隊員が鉄砲もって何を “想定” する訓練かと言ってますが」
田中直紀防衛大臣 「え〜想定なんて何にもないよ・・・聞いておりませんと答えろ」
練馬駐屯地   「想定のない訓練なんてあるんですか?・・・住民の安全確保に警察やパトカーは行進に付けろともいってますが」
田中直紀防衛大臣 「パトカーなんかつけるわけないだろうバカモン!」
練馬駐屯地   「極左・共産党系の反対運動の対策は」
田中直紀防衛大臣 「光が丘警察などと連絡を取れ」
練馬駐屯地   「訓練とわかるように表示してと練馬区役所が言ってますが」
田中直紀防衛大臣 「ま〜その〜原発反対運動で市民がゼッケンつけてるだろう。 あれだ、レンジャー部隊の隊列の前に “訓練” と書いたゼッケンを付けた隊員を出せ」
練馬駐屯地   「ハイ。長いこと訓練場でやってたのに40年ぶりに、人ごみの中で訓練する必要になったか本当の理由を知りたいともいってますが」
田中直紀防衛大臣 「うるさい住民だな。お前にうかつなことは言わないで最小限にとどめろといったじゃないか、任務に忠実になれ。もうほっとけ」
練馬駐屯地   「それはいけません。民主主義も必要では・・・」
田中直紀防衛大臣 「住民の熱い願いがわかった。え〜住民説明会をやれ」
練馬駐屯地   「エツ 6月12日実施なのに今からですか」
田中直紀防衛大臣 「え〜今日は6月1日、未だ間に合う、公民館でも手配しろ。今すぐ行け、町会の掲示板に貼っておくよう町会長へ言っておけ。 そうだついでに賛成派も用意して置け、そうそう、行進の激励隊をお前の連隊から協力者をつのれ」
練馬駐屯地   「アリバイ工作じゃないか。やらせ質問か?」
田中直紀防衛大臣 「6月7日住民説明会決行だ! あ〜何か間違ったことをいいましたか? え〜そうだ思い出した、 3月30日第一師団長34代の反怖陸将が着任しただろうあのときの師団長の要望事項をでかい声で言え」
  ハイ A あたりまえのことを
      B ぼんやりせず
      C ちゃんとやれ
練馬駐屯地   「大臣にも当てはまりそうですね、6月12日まで大臣の首が持ちますかね」
田中直紀防衛大臣 「なにか言ったか・・・最近耳が遠くなったみたいだ・・・」
おわり



西台駅前(板橋区)

  今日まで住民が練馬駐屯地や防衛省と交渉を持って明らかになった。情報を自治体と共有しながら連携し運動が前進してきている。 駐屯地から情報提供あった「レンジャー訓練実施について」以外の交渉で得た20の情報は以下の通りだ。

@ 訓練の想定はない。しかし防衛省背広組は否定。
A 目的:イザと言う時、アスファルトや市街地になれることが重要。防衛省は災害派遣だ。
B 訓練周知:5/1と5/7に練馬区内の北町1丁目町会など2箇所のみ保育園や小学校は周知なし、 住民から板橋区はいつやると要され5/28から板橋区20町会に通報。
C 防衛省は練馬駐屯地に改めて商店街や通勤者へも説明せよと指示した。
D 防衛省は登校中の時間は避ける。道が狭いか確認するとして市民の声は考慮する。監視員をつける。
E 防衛省は区が見直せと求めれば見直す。
F 訓練は3月中旬から始まった。ヘリコプターは東富士から飛来し中型ヘリ(定員26名)の30名だ。ヘリからは30秒で飛び降りる。 いや飛び降りない。駐屯地の窓口によって違う。
G パトカー出すかは警察にお願いしている。警察は付く。防衛省は警察付かないという。
H 隊列の前後に付く自衛隊安全係りは住民に 「訓練」 がわかるような表示をする。
I 徒歩行進の法的根拠は自衛隊法87条と銃刀法3条1項だ
J 昭和51年(1976年)〜55年(1980)にかけて新隊員の教育でルートは練馬駐屯地〜荒川〜朝霞駐屯地。
K ルート決定権は防衛大臣だ。ルート変更などあれば自治体など関係所管に伝える。
L 住民に迷惑がかからないように行進する。
M 警察から イ、最短距離を歩く ロ、一方通行(北町商店街や舟渡大橋周辺などが該当する)の道路のところはサイレンを鳴らして通ってください  ハ、歩道がなくて車道を行進するときは左側を通行してください、という指導だ。制服の警察官がつく。
N 警察の指導は 「サイレンはもし緊急患者が出たとき車両で一方通行を逆送する場合にサイレンを鳴らしてください」 でした。
O 昭和42年〜昭和45年、違うルートだがレンジャ徒歩行進訓練をやった。
P 昨年7月25日〜26日の夜中250名、鉄砲所所持せず防災訓練実施。ルートは練馬駐屯地〜荒川河川敷〜木場公園だ。関係する自治体へ1ヶ月前伝えた。
Q 警察に道路占有許可書提出する必要はない。
R 40年ぶりにやる根拠説明不能。
S 当日の担当はレンジャー主任教官から第一師団広報へ変更した。

  6月2日、住民は自衛官の歩く練馬区側のルートをすべて緊急調査(資料3)したが訓練10日前だというのに100%の市民が知らなかった。
  路地裏の子供たちなどビラ100%受け取るり住民の不安は増大するばかりだ。
  町会掲示板には土壇場の6/7住民説明会の告示があり、商店街の店主たちは 「大臣はもう直ぐお辞めになるんでしょう。」 と冷ややかに見ている。

  一般的に独裁者は 「国民に情報を与えないようにして、人々をコントロールし、無知の状態に押し込めようとする」。 今回の事例は、原発事故の際の政府や東京電力とった原子力村の対応に類似するように見える。

  今後私たちは以下の行動を予定している

6月5日(火)地元住民による 「陸自徒歩行進中止を求める仮処分申請を求める」
  東京地裁内の司法記者クラブにおいて、緊急記者会見


6月7日(木)午後7時半〜8時半 北町地区区民館(練馬区北町2-26-1)練馬駐屯地による住民説明会 だれでも参加自由・申し込み不要

◎ 6月6日午前中 光が丘警察へ陸自徒歩行進について実行委員会と懇談。
    〃  午後より駅頭宣伝(ビラまき)
    イ、午後5時半より6時半 @ 大泉学園駅2階 A 練馬駅 B 平和台駅
    ロ、午後6時より7時 @ 東武東上線練馬駅(板橋・練馬合同) 以下板橋区担当 A 板橋区役所駅 B 蓮根駅 C西台駅 D高島平駅 E上板橋駅

   6月12日 午前10時半に練馬駐屯地正門前集合、看板・プラカード準備してください。



路地裏の子供たち(北町商店街)

資料 1
市街地で実施するレンジャー訓練実施計画を演習場や駐屯地内に限定した訓練へ 変更を求める陳情書 質問と回答ならびに回答に関する意見

資料 2
レンジャ訓練に関する駐屯地交渉 緊急報告

資料 3
緊急速報!
練馬区民レンジャー訓練10日前100%知らず
ビラ100%受け取る 住民の不安増大
土壇場で6/7住民説明会 6/2掲示板で周知4日
【6/12陸自武装徒歩行進の訓練 きたまち商店街などコース沿線住民緊急調査】


No.21
PAC3ミサイル七不思議 舞台裏
―ヒバリさえずる朝霞訓練場 7泊8日 配備─
2012/4/16

  PAC3ミサイルは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のロケット発射騒ぎにより、2009年4月に朝霞訓練場に11泊12日展開した。 今回は4月7日未明より14日深夜まで埼玉県立朝霞高校脇に配置された。 陸自の皆さんは今回始めて朝霞訓練場のすべての外柵(フェンス)の内側15メートルに有刺鉄線(バリケード)を敷き詰めたため、 外柵沿いの常設トイレは使用できず朝晩は冷えるため立小便姿が目立った。トイレに使用した訓練場内は女性自衛官がほふく前進する場所なのだが。


PAC3ミサイル朝霞訓練場に配備、陸自は有刺鉄線を張り巡らし演出は最高潮、
朝霞でも初めて警備の銃に実弾をこめたのだろう緊張する撃たれないだろうかと。
住民と15メートルも離れているので隊員との会話は大声でしないと聞こえない。

J: 神様がお守りしてくれるの? 朝霞訓練場はPAC3ミサイルと氷川神社まで500メートル、防衛省は市谷亀岡八幡宮まで200メートル。 一発5億円のミサイルには神社の 「抑止」 と書いたお札が付いてるかもしれない。
K:  陸自と空自の違い:御用済みのPAC3ミサイルは4月14日深夜撤収したが。4月15日現在、 32普通科連隊(さいたま市)の隊員は 「未だに上司からの命令がないのであります」 と、朝霞訓練場警備の任務が解かれていない。

L: 陸自も空自も消防自動車さえ配置しない。朝霞訓練場ではヘリコプターが離着陸時に事故対策の目的で陸自の消防自動車が現場に配備される。 もしかしたらPAC3ミサイルは空っぽかもしれない。

M: 朝霞訓練場のある消防署も通常勤務。3年前の石神井消防署大泉学園出張所の職員は 「警戒レベルは最低のレベル1。 2001年 「9・11アメリカの同時多発テロ」 では最高警戒のレベル5になった」 と説明。

N: 2009年4月3日、空自の幹部は 「PAC3を発射して誘導電波は高速で強い電波だ、 人体にどのような影響が出るか把握してない」 と新宿区危機管理課長に説明した。 ところが、朝霞訓練場ではPAC3の発射方向には陸自や空自の隊員の警護所は設置されず、隊員たちは一切近づこうとしなかった。 それもそのはず、イージス艦は港を離れれば隊員は甲板に出ない、レーダーの出す電磁波は怖いからだ。

O: PAC3ミサイルは実戦で迎撃できる保証がない未完成品。 2006年小泉首相と守屋防衛事務次官が訪米お買い物ツアーで米国に 「これをもてば抑止力になる…よく当たるよ」 といわれ 「護摩の灰」 のごとくPAC3ミサイルなど買うことを決めた。【PAC3を開発した米軍でさえ市街地に展開した例はない。】 とは、東京新聞の記事。

P: 大手新聞記者などは反対派や賛成派に 「これからPAC3が○○基地に配備されるよ」 と携帯電話で通知することがあるようだ、 次の日には新聞に彼らの写真とPAC3がちゃんと写っている時もある。

  セシウム137と火薬庫のずさんな管理 七不思議
  防衛省では 「朝霞駐屯地火薬庫の最大貯蔵量合計について4棟最大9トン、練馬駐屯地火薬庫は6棟 1・4トンと説明する。 福島原発事故で記憶に新しい放射性同位元素セシウム137は練馬駐屯地火薬庫脇には 186000000ベクレルが8本保管されている。」 と説明している。

  3月21日、防衛省内で住民団体と練馬駐屯地の築60年程の老朽化した火薬庫等(情報公開で求めた火薬庫検査表等を元に)に関する陳情と、 4月8日の第一師団創立50周年行事に関する七不思議をご覧ください。

@ 住民団体の質問(以下問) 【火薬庫内の喫煙場所項目になぜチェックしたの】
防衛省の回答(以下回答) 「火薬庫内に喫煙施設無いのに部隊の担当者があいまいにチェックした」
A 問 【火薬庫の屋根瓦による雨漏りあったのになぜチェックしないの】
回答 「雨漏りは無い修繕もしてない! 数日後の再回答は屋根瓦に防水塗装を施したが修繕ではない」


2011年3月11日、火薬庫屋根瓦は迷彩シートに覆われ、一ヵ月後火薬庫の屋根瓦は
キレイに修繕し色が鮮明になった。 昭和29年に建造されている。老朽化が目立つ

B 問 【2011年10月の台風で火薬庫内の樹木(可燃物)が倒壊したが半年たってもなぜ取り除かないの】
回答 「取り除いた。今後迅速に対処するよう部隊に念を押した」
C 問 【22年間、放射線管理区域に注意事項を掲示しないのは第一師団の規則違反では】
回答 「直ぐ掲示する」

22年ぶりに設置された放射線管理区域に関する遵守事項の看板

D 問 【昨年の東日本大震災以前から火薬庫脇にタイヤなどゴミが山積み、危険なので撤去して】
回答 「駐屯地内工事のため、7月に仮設のゴミ集積場所を火薬庫脇に設置した。撤去の要望は部隊へ念を押して伝えた」
E 練馬駐屯地祭大砲使用について
 問 【2009年平成21年3月、練馬駐屯地から練馬区役所へ近隣騒音苦情対応のため155ミリ榴弾砲(空砲)やヘリコプターのホバリングは中止する、 練馬区に苦情があったら駐屯地へ連絡願いたい、という約束を自衛隊は守って】
回答 「言った覚えは無い、区と駐屯地の見解の相違だ」
F 4日間の大砲の訓練にたいして近隣住民から区と駐屯地へ46件苦情がよせられた。
  「ガス爆発事故か・いつまでやるんだ・いったいなんだ何も聞いてない」 等など4月5日(大砲の空砲発射50発に苦情20件、区の電話鳴りっ放し)、 区総務係長らは区民の苦情を持って練馬駐屯地を訪れ、さらに区職員は8日、自分たちの目で確認し体感しようと公務で駐屯地へ出向いた。 それでも練馬駐屯地は大砲などの空砲発射を強行した。


4門の大砲、一度に空砲を火を放ちながら連射する
ドカーーーン 隊員は鼓膜破けるので耳をふさぐ

  練馬区総務係は自衛隊に対する近隣の生活に支障をきたす苦情の多さに再度練馬駐屯地を訪問するとしている。
  4月15日、駐屯地周辺で駐屯地の大砲の音を聞いた小学生の兄弟たちに聞いてみた
  小学5年男児 「いきなりドカーンと雷が鳴った」
  4年男児 「雷が返事したドカーン」
  1年女児 「怖かった」
と話す。

  ウソ・ごうまん・隠ぺい体質・つじつまあわせのいいわけ…。自衛隊の常識は世間の非常識なのだろうか?
  第一(頭号)師団正門警備の下級隊員たちは 「大砲の音うるさく申し訳ありませんでした」 と住民に頭を下げた。 こんな立派な隊員もいることを忘れてはいけない。

  練馬駐屯地の正門の奥に馬鹿でかい看板が目立つ

  4月の陸上自衛隊第一師団の月間目標

   規律の維持


No.20
背筋がぞっとする 自衛隊と警察の監視
2012/01/11

  2011年12月9日、平和委員会など市民団体が陸上自衛隊練馬駐屯地正門前で1時間の宣伝を実施した。 30回目をむかえる宣伝に200名の隊員たちは
平和のひろば(@ 資料) を受け取った。

  この日は隊員たち公務員のボーナス支給日だ。
  9条の会から 「公務員の給料が下がれば民間も下がる、悪循環だ、景気は良くならない」  平和委員会は 「練馬区内のお母さんたちと一緒に脱原発運動が練馬区を動かしている」 と訴えた。 隊員らは 「外食も減った、退職金も激減だ」 とうなずきながら 「がんばって」 と私たちに声をかけてくれる。

  この日の宣伝が始まると、私たちの直ぐ脇に光が丘警察のパトカー(ワゴン型)が赤色灯をピカピカ回転させ、 しかも、警官は私たちのすぐ脇に立つ星の二つ付いた自衛官(以下二つ星)になにやら挨拶をかわした。 自衛官は駐屯地正門から我々を長時間カメラのフラッシュをパッ パッ と光を放し続けた。
  今までこんな不自由な宣伝はなかった。
  私たちの脇にいる二つ星に宣伝終了後に抗議した、私は 「なぜ何のために、写真を撮った、情報保全隊か何人参加してるか、 あなたが光が丘警察を呼んだのか、二度とするな」 と問い詰めた、二つ星は 「そのようなもの(情報保全隊)だ、しかし、何人かは詳しくは分からない。 警察は知らない。分かりました、写真をとることはやめるように言っておく」。

  言い訳が始まる
  12月26日、私は宣伝時に対応した二つ星に再度尋ねた、二つ星は 「私は情報保全隊とは言っていない、 私の部下の一人にトラブルなど何かあるといけないからカメラを持たせた」。 私は 「今まで事前に自衛隊に通告し30回も宣伝しているがトラブルがあったのか、誰が命令を出した、写真は何故撮らせた」、 二つ星 「トラブルは無かった。自分が出した命令だ。部下が写真撮っちゃったので、だめじゃないかと部下を叱って中止させた」
当日の様子とつじつまの合わない言い訳が始まった。
  どうも本当とは思えない。

  ウソは必ずばれる
  「自衛隊の常識は世間の非常識」 私の知り合いの幹部自衛官がこのような 「言葉」 を教えてくれた。 自衛官はウソを平気でつくのが当たり前のように思える。
  いっぱいあるウソの一部を紹介しよう。
  2006年(練馬区内では練馬駐屯地の隊員ら100名がイラクに派遣された時期)、 練馬駐屯地広報は練馬区や駐屯地周辺町内会に5月16日より災害に伴う夜間ヘリコプター飛行訓練を練馬駐屯地で実施すると通告した。 数ヵ月後、私たちが防衛庁(当時)へ情報公開文書を入手した当時の命令書である、 「平成18年度第一次飛行隊訓練実施計画」 によれば 「災害訓練」 ではなく捕虜の取り扱いまで明記した 「ゲリラ戦闘訓練」 であり、 練馬駐屯地が町内会などに通告した内容のウソがばれたのだ。 詳しくは 平和のひろば2006年9月3日号(A 資料) をご覧ください。

  最近のウソ
  2011年3月11日、練馬区内も震度5弱を計測した。(B 資料:練馬区内と自衛隊万年塀など被災状況)
  練馬駐屯地は万年塀の一部が崩れ火薬庫の屋根瓦に大きな迷彩シート(C 資料) がかけてあった。 その後、私は練馬駐屯地の被災状況を撮影して練馬区へ提出した。 練馬区から練馬駐屯地へ連絡しても駐屯地は 「地震による異常はない」 という返事が返ってきた、あきれたものである。
  一方、誠実な防衛省の背広組もいる 「練馬駐屯地に聞いたが、恥ずかしながら3月の地震前に火薬庫の屋根が雨漏りしてシートをかぶせた、 いずれは修理するようだ。3月の地震で万年塀の一部が崩壊した件については防衛省に報告しなかったようだ」。 このように誠実に住民に隠さないで事実を明らかにする自衛官たちもいることを忘れてはならない。

  私は防衛省に雨漏れ屋根瓦の火薬庫はどのように処理されたのか情報公開を求めた。 公開された文書によると、 3月11日の 「練馬駐屯地業務隊火薬庫週末点検・検査表」(D 資料) は火薬庫の外観に 「異常無し」 とチェックが入っていた、 駐屯地は住民にも練馬区役所にもさらに防衛省にもウソをついていたことになる。

  火薬庫に喫煙場所あり!?
  「練馬駐屯地業務隊火薬庫検査表」(E 資料) これはすごい。火薬庫検査表によれば四半期ごとの点検だ、 ナンバー10の項目に 「喫煙場所は適切で、消火器等が置いてあるか」 チェック項目には1号庫〜6号庫まですべての欄にチェックしてある。
  これらの公文書を練馬区役所や石神井消防署員へ見てもらうことにした。 役所は 「ホントですか」。消防は 「はじめて見ました・・・コメントのしようがない・・・・・・」。

  練馬区内の火薬庫に詳しい自衛官に聞くと 「火薬庫は湿ったらアウトだ、考えられない。 火薬庫勤務は24時間制なので仮眠もあればメシも食う、タバコも一服したい。 しかしこのご時勢駐屯地内ではタバコを吸うところは限られるようになった」 と答えが返ってきた。

  当時の状況を想像してみよう
  時は平成22年3月11日 練馬駐屯地火薬庫点検時の上司と部下と会話
上司:今日は随分揺れたな
部下:ハイ、震度5弱と聞いております・・・・上司 タバコ消してください
上司:いちいちうるセー 今日は週末点検だから灰皿のチェックなどいいんだ! まー消すか。おい灰皿
部下:火薬庫の屋根瓦の雨漏りひどいですがドーシマスカ? とりあえずシートかぶせてあります
上司:ブルーシートじゃ目立つから 迷彩シートにしとけ わかったか!
部下:ハイ! 「火薬庫の外観に異常はないか」 ・・・チェックどうしますか
上司:馬鹿タレ こんな恥ずかしいこと上に報告できるか! ばれたら俺が怒られるんだ チェックだ
部下:それでも・・・備考欄に雨漏りと書かないんですか ウソはまずいであります(小声で)
突然上司は 「バカ!」 と怒鳴り続け、靴を脱いだと思ったらすばやく部下の頭をガンガン5〜6発殴り始めた
上司:これでも雨漏りに見えるか 異常なしだ! 分かったな!
泣きながら 震えた声で
部下:火薬庫雨漏りに見えません! 火薬庫の外観に異常な〜し チェックヨーシ、火薬庫すべて安全に管理してあります・・・点検終了
部下は検査表に涙でにじんだ字でチェックするのであった。まるで 「裸の王様」 のようではないか。

 「3.11災害派遣」 で国民から喜ばれる自衛隊になった。ウソをつかず監視せず国民を守る民主的な自衛隊になるよう体質改善が望まれる。