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「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を公民館が掲載阻止

寄稿:池田龍夫

2014年8月9日

毎日新聞8月5日付夕刊「特集ワイド面」に、俳人の金子兜太さんの対談が掲載されていたが、その鋭い指摘に感銘した。

埼玉県のある公民館が、地元の愛好家が選んだ俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の広報誌への掲載を拒んだという話だ。金子さんの自宅(熊谷市)に差出人不明の手紙の中に、新聞記事の切り抜きが入っており、公民館が広報誌への掲載を拒んだと報じていた。拒否の理由は「世論を二分する問題だから」という。

金子さんの言葉を要約して紹介したい。「穏やかな平和な句です。今やこんな句までやり玉に挙げられる。あの時と同じですよ」と、戦前の治安維持法によって、当時の俳人が逮捕された暗黒の時代の話にまで及んだ。「昨年の特定秘密保護法成立時に嫌な予感がした。秘密保護法だって必ず適当な理由をつけて拡大運用する。安倍首相みたいに『死の現場』を知らぬ連中に限って、『自衛だ』とか言って戦争に首を突っ込みたがるんだ」と語り、金子さんが西太平洋トラック諸島での凄惨な体験談に話は及んだ。

94歳の金子さんの分析は見事で、右旋回の時代風潮をズバリ警告していた。

池田龍夫(いけだ・たつお)毎日新聞ОB。

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