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【NPJ通信・連載記事】練馬自衛隊基地ウオッチング~ダイコンと基地の街~/坂本 茂

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no26 荒川土手(東京都板橋区)に住民など200名集結 陸自レンジャー訓練 ヘリコプター使用断念

2014年5月6日

レンジャー行進は強行されたが、安全を願う住民の声は当初防衛省が予定した危険な訓練が行政・議会と住民の連携により訓練内容が一変し、 不安が大いに解消された。

防衛省陳情・住民説明会・裁判(市街地武装行進訓練禁止仮処分申し立て事件)・高島平警察署長や板橋区長への要請、 裁判を契機にマスコミが大きく取り上げ世論が鰻上りに。

6月12日、午前8時、隊員にとって見れば雲が垂れ込め行進には肌寒く絶好な日だ。
ヘリコプターからレンジャー部隊が降りてくる、何とか行進を阻止したいと住民たちが集まってきた。 荒川戸田緑道公園の土手いっぱいに反対する横断幕、賛成派は自衛隊がんばれと日の丸を配った。

8時22分:第一普通科連隊(練馬)の大型トラックが公園にゆっくり到着した。
   37分:第一師団広報班長は住民に東富士演習場の天候悪いためヘリコプターは飛ばないかもしれないと説明する。
インターネットで演習場の天気を調べたが曇り北風2メートル。ヘリ飛べる条件だ。
ア~~ また班長さんのウソがまた始まった、5月16日、 班長さんは練馬駐屯地内での住民との話し合い開口一番出てきた言葉は 「私はウソを申しません」。
12分後。予想が当たった。やっぱりウソだった!!
  49分:まだ富士山にいると思ったレンジャー隊員が大型トラックのほろから次々と現れたではないか。
レンジャー隊員はトラックの中にいたのだ。マジックショウでも見ているようだ。口からデマカセのお笑い広報班長だ。


荒川土手:「訓練中」 のゼッケンなしで行進出発

「ヘリコプター(ラジコン)飛ばさないで」と、荒川戸田緑道公園の使用ルールに書かれている。

4月9日、練馬駐屯地は気軽に板橋区役所へ 「ヘリコプター着陸するけど公園貸して?」  板橋区 「自衛隊さんだからいいよ」 こんな調子で板橋区は許可をしてしまった。
子供が遊んでいてもバーベキューしていても自衛隊は利用者を排除できない内容の許可なのだ。
双方とも大型ヘリコプターの爆音や風圧に危険性が理解していなかったようだ。
雨が前日降らなくて良かった。
何故?
高島平駅の駅員さんに会場を尋ねると 「あの公園は大雨が降るとみんな水没する危険な場所だ、 梅雨時期に自衛隊は知ってて借りたのか?」 と首をかしげた。


西台駅前歩道

警察が先導する自衛隊の訓練って仮装行列?
1万2千歩でも訓練なの?

師団創立50周年 気合入れたが お粗末な結果!

住民は3回開催された住民説明会で 「交通整理や事故対処にせめて警察官やパトカーを入れて」 とお願いしていた。 最後まで自衛隊は警察を入れないと言っていた。これもウソだった。
150メートルの長蛇の列になるかと思いきや。なんと私服の警察官がレンジャーの前に出て歩き出した。
「俺は知らないよ」 といっていた警備課長さんも私服でちゃっかり歩いていた、頼りになりますおまわりさん。
小銃は銃口を上に向け身体に縛り付けてあった。これも前例がないが安全対策だろう。
行進する隊列も2班から6班に増やし間隔もあけ、安全係も増やした。
30名(当初の広報班長さんの説明)のレンジャー隊員の 「仮装行列」 は最終的に17名のレンジャー隊員(2人脱落、 2名は肩の負傷で30キロの重いザック装備なし)と教官や警察官など計50名に増員された。住民の要求で安全が大きく考慮された。

荒川の土手で大きな日の丸を振っていた自衛官OBは 「友達から誘われて来た。 俺が西台駅の交番で日の丸の旗を見て “それ貸して下さい” というと、おまわりさんは “いいよ” とケースごと貸してくれた」 と言う。 小さな日の丸の旗はどうしたの? と聞くと 「宅配便で届いたダンボールをオッサンが開けて土手のところで配ってた」。と答えた。


西台駅交番で借りた日の丸

しかし、「レンジャー訓練がわかるようになにか表示して」 という練馬区や住民の要望は完全に無視された。 住民が提訴した行進禁止を求める裁判において、国の答弁書で 「訓練実施中」 と記載したゼッケンなどを胸や背中やヘルメットに装着とするとしたが、 付け忘れたのだろうか。

父兄の願いを無視し休み時間の子供たちの姿でごった返す北町小学校正門前(練馬区)はルート変更しなかった。 ルート近くの北町保育園の園長は 「とても困っている。その時間帯には子どもたちをお散歩には行かせない」 と語る。 迷惑をかけて何故強行するのか理解に苦しむ。

コンビニの窓や公園からジャングル迷彩したペイント顔の隊員が見える、板橋や練馬はいつからジャングル地帯になったのだろうか。


コンビニの窓に武装自衛官の 「行軍」 が

ゴテゴテでお粗末だね!
防衛省関係者は 「急ごしらえの住民説明会など今回の訓練は住民や自治体などと自衛隊の信頼関係が途切れるだろう。 まだまだ、制服の上の人は “自衛隊は何をやっても許される” と思っている人がいる。申し訳ない」 と今回を振り返る。

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