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【NPJ通信・連載記事】練馬自衛隊基地ウオッチング~ダイコンと基地の街~/坂本 茂

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no27 【行軍って 第39期レンジャー訓練のおまけです】幼児泣く 市中行軍 配慮なし

2014年5月6日

■行軍実施の4日前という住民説明会3回に高級幹部ゾロゾロ:
防衛省内局数名/1等陸佐3名(東部方面隊・1師団第1部長・1連隊長)  2等陸佐5名(東部方面隊・医務官・法務官・1師団総務課長・1連隊) 3等陸佐5名(1師団広報班長・1師団渉外幹部など)  准尉1名(第3部) 3曹1名他公安警察数名など国側関係者延べ90名。住民延べ150名以上。 説明会に参加した女性は 「隊長さんは最初 “隊員の装備は小銃と小さなリックだけ” とおっしゃった。 途中から重い装備してコンクリートの上を歩く訓練が必要だとおっしゃった。どっちがほんとか教えて欲しい。 説明を聞けば安心できると思ってきたけど、隊長さんの説明を聞けば聞くほど、不安が増すばかりだわ。」 と質問した。

■当初計画:
東富士演習場から荒川河川敷にヘリコプターによる降着、 練馬駐屯地まで約6・8キロ/歩道を2列縦隊/携行品:背のう・携帯無線・小銃(両手で小銃を前方で構え、銃口を下に向ける)及び左腰に銃剣 /人員:主任教官以下30名。行軍ルートに商店街。

■当日:
テレビや新聞が大きくとりあげた。ヘリコプター降着断念陸路に変更。 陸自消防自動車と風向を目視で観測する吹流しの準備なし/2列縦隊から1列縦隊へ変更/携行品から無線機外し、 小銃は右肩にかけ銃口は上に向けロープで身体や背のうに縛りつけた /人数:警察官先頭にレンジャー学生17名警察含め50名に誘導員を増やし6班に分け行軍/商店街をルートから外すなど、 住民・商店街の店主・議会・自治体とかみあった裁判闘争が国を動かした。

■【行軍隊員は替え玉?役者か?】
行軍隊員が名前や階級章・徽章を隠す。 鉄帽に枯れ枝が付着・襟が乱れ・小銃を身体に結びつけるロープの結び方結び目が乱れる・本当に第一普通科連隊の隊員だろうか。 もしかしたら役者か? ルートを間違え保育園児のお散歩と遭遇し園児たちが泣き出す場面NHKテレビが放映。 教官が 「歩道に入れ」 と号令しても車道を歩き続けるレンジャー学生たちの姿も見えた。足並みなど合うはずがない。
  *行軍隊形

先頭(3) オレンジ腕章・西岡2佐・無線機 黄色腕章・教官(左脇に赤紐) 黄色腕章・3曹・背のう
1班(10) 警察官 オレンジ腕章・2佐・無線機・空挺レンジャー徽章 学生 学生・3曹 学生
緑腕章・3曹・教官・レンジャー徽章 広報・3佐・無線機 警察官(警備課長) 警察官 警察官
2班(7) 青腕章・2尉・教官 学生 学生 学生・背のうなし 緑腕章・3曹・教官
赤十字腕章・救護背のう・教官 広報・3曹・無線機・ビデオ
3班(7) 青腕章・3曹・教官 学生・3曹 学生・3曹 学生・3曹 緑腕章・曹長・教官・鬼手仏心とレンジャーイラスト刺繍
  警察官 警察官
4班(7) 警察官 青腕章・3曹・教官 学生・陸士長 学生・3曹 学生
  緑腕章・3曹・無線機 広報・3佐・無線機
5班(6) 青腕章・2尉・教官・3中隊・レンジャー徽章 学生 学生 学生・陸士長・背のうなし 緑腕章・2尉・無線機
広報・3佐・無線機
6班(8) 学生・3曹 緑腕章・3曹・教官・無線機 学生 赤十字腕章・2曹・救護背のう 広報・無線機・ビデオ
オレンジ腕章・2佐・無線機 警察官 警察官
合計(50名)

  * 陸上幕僚幹部幕僚長 陸将 君塚栄治さんは 「自衛隊は何をやっても許される」 という思い上がりで今回のような目立つことを試みたが、 やることなすこと後手後手にまわってしまった。しかし彼は来年もやると決意をあらわにしている。

6・12陸自? レンジャー行軍 想定外の結果!?

  陸自武装レンジャー行軍と一緒に歩いた記録だ。6月12日、午前7時30分高島平駅員さんの声から始まる。 午前9時、板橋区荒川河川敷を出発し午前11時陸自練馬駐屯地(練馬区)行軍終了まで約7キロの隊員や街の人々の様子を綴った。 自衛隊準機関紙 「朝雲」(週刊)は陸自第1師団(練馬区)創立50年を祝し企画された42年ぶりの市中行軍を扱わず。 さらに東部方面隊広報紙あづま(月刊)6月25日号も同様、練馬駐屯地内のレンジャー旗章授与式のみを報じた。

作成:2012/7/4 練馬平和委員会
時刻 行軍ルート下のレンジャー学生や街の様子や住民の声。車両や歩行者の危険箇所。
7:30 高島平駅員「河川敷は大雨の翌日は冠水する、自衛隊は知ってて借りたのか。梅雨の時期は危険だ」と指摘する。陸自は荒川下流河川事務所で鍵を借り、荒川河口側に警察車両2台乗用車含め7車両(第一普通科連隊ジープ2/高機動車3<内レンジャ徽章付1>/救急車1)待機。ヘリコプター着陸に必要不可欠な吹流しや消防自動車が準備なし。
45 荒川土手に「行進反対」と書いたプラカードを持った住民集まる。散歩やサイクリング利用者あり。
51 警察車両荒川上流に向け先発。
8:00 自衛隊車両ライト点灯し荒川上流に移動開始。土手右側に日の丸、左側に行進反対のプラカード多数。
7 車両現地に到着。レンジャー要員配置。警官約30名配置。
13 1連隊空挺レンジャー徽章の2佐など2名がヘリコプター降着位置の草地ひろばの一部を確認。
15 練馬駐屯地よりマスコミ関係者を乗せた陸自マイクロバス到着。
18 土手に日の丸付きのワゴン車3台駐車。
22 レンジャー学生隊員(以後R隊員と略す)が乗った大型トラック(定員22人)到着。
28 マスコミの一団は師団広報の指示により大型トラック付近に移動。制服警官数人。
29 日の丸小旗が配られ始まる。財団法人日本郷友連盟東京都郷友会の旗も揺れている。
37 師団広報班長は住民に東富士演習場の天気悪いためヘリコプターが上がれないようだと住民にウソ説明。隣で聞いていたマスコミ関係者に笑われる。
49 大型トラックの後部の幌が開かれ、背のうを軽々二つも持つ隊員もいる。要員の隊員はR隊員の携帯している銃を身体脇に巻きつけ銃口は上に向けた姿に整えた。背のう背負えないR隊員2人。周辺は安全コーンを設置し立ち入り禁止に。カメラマン殺到。「行進反対」とマイクで演説が聞こえてくる。
50 R隊員は目はうつろ、あごはが上がり、ぐったりうなだれ、疲労感ですべての隊員は無表情だ。「徒歩行進」というおまけの住民向け晴れの舞台を演出するため、上司の命令で急いで身支度をしたのだろうばらばらな服装が目立つ。迷彩服にはアイロンがビッシと当ててある。反長靴は磨かれ綺麗だった。第1普通科連隊隊長は「レンジャ訓練は 3/16~ 6/15、富士地区の訓練は5月25日に終了した、練馬駐屯地に戻る一環で徒歩行進だ」と説明会でいっていた。その間お休みだったはずがない、これほどヘトヘトな隊員は見たことない。これで住民を守れるのだろうか。
9:00 行軍イベント開始。4月の陽気で肌寒い。後班は未だ準備中だ。隊員は名札や階級章を隠している。機動隊かアルバイトが行軍の替え玉レンジャーか?
3 6つの隊列が大きな土手を登って下る。とても斜面がきつく危険な場所だ。
4 初めて信号機のない車道に制服警官一人警備。工場地帯のため大型トラックや乗用車で上り下り車線渋滞や駐車車両多し、フォークリフトの運行、クラクションまで鳴らされる。6~7人の隊列は車と車のごった返す歩道のない車道を左側で前進し、途中から車にはさまれ斜め横断して車道右側に変更し前進。一歩間違えば隊員や歩行者、報道関係者が車両接触事故が起きる危険箇所だ。日の丸を振って自衛官がんばれと声援。
9 ガソリンスタンド信号左折。右側路側帯を前進したためガソリンスタンドの営業妨害にはならなかった。
10 佐川急便営業所入り口、隊列が過ぎるまで大型トラックは停車を強いられた、佐川急便の運転手は全く行軍について聞いてないと言う。新河岸川一体は大型倉庫群のためトラック上下道渋滞激しい。細い歩道を警官と警官に挟まれR隊員が行軍する。
11 防衛省は隊列の先頭には隊員の胸や背中やヘルメットに「訓練中」というゼッケンなどをつけるといいながら一切表示せず。これまたウソ。
12 タクシー会社正門前通過。ここも知らされてない。右手は小銃のベルトに手を握り、左手はだらりと下げ、口を開け、うなだれて歩く緑色に塗った顔のR隊員たち。
18 R隊員第1隊、信号待ちし、橋戸大橋にさしかかる。車は上下道渋滞続く。
24 橋戸大橋でのR隊員は通行人をよけ専用歩道の左端を前進。
26 一般大型車両故障で都営三田線西台駅北側の道の真ん中で止まっている。
27 セブンイレブンの中からR隊員が見える。
29 西台鈴薬局前歩道で車椅子の年寄りと遭遇、R隊員はいったん停止。
30 西台駅前のコンビニの中からもR隊員が見える。
32 西台駅前沿道に500名くらい「学校・保育園・商店の前で訓練止めて!」とプラカード多数、宣伝カーなどで反対の演説と報道陣の中をR隊員前進。
35 ダイエーデパート通過、日の丸小旗と反対派ごったがえすなか、あごを上げボーットしながらただただ無表情に前進。日の丸おじさんは「胸を張れ」と怒鳴るがR隊員は聞こえないらしくボーット前進するのみ。警官多数、携帯でシャメールしている人々目立つ。
37 モスバーガ通過。今日が夏日だったら脱水症必至。師団広報や私服警官は行軍中携帯電話で連絡取り合っている。
43 蓮根交差点、女性警察官が交通整理。
48 交差点で待つR隊員はあごを上げ苦しそう、背のうなしの学生もボーットとしている。これから急階段の狭い歩道橋を渡る。
56 だらだら坂が続く西台2丁目の陸橋の上から観察、数名の地元の人が何でしょうかねと興味深そうに見ている。前列3人のR隊員通過、停車中のタクシーを大型トラック追い越し禁止区間のカーブを追い越す、危険だ。R隊員1班が陸橋の下にさしかかろうとしている。R隊員は前かがみに猫背になり歩調乱れる。
57 西台方面から来た乗り合いバス、R隊員をよけてセンターライン超えてカーブを曲がっていく、ここも追い越し禁止だ。左右の歩道ない路側帯は反対派や賛成派がR隊員の隊列と一緒に歩き続ける。
58 R隊員2班は陸橋の下にさしかかる。
59 R隊員2班陸橋の下通過。自転車に乗った自衛官OBは西台駅前交番でケースごと借りた馬鹿でかい日の丸を振って応援。
10:00 R隊員3班が陸橋の下を通過。
1 R隊員4班が陸橋の下を通過。5班橋に向かってくる。口を開けて苦しいそうなR隊員。
5 マスコミを乗車させてきた陸自マイクロバス陸橋の下を通過。
6 R隊員6班通過。最後部の要員2名陸橋の下に向かう。約10分間で陸橋の下を先頭集団からすべての隊列通過した。隊列の脇をタクシーがセンターラインオーバーしてカーブを抜いて行った。
9 お店の前をがんばれの日の丸を振って声援も。R隊員6隊最後の学生は最初から最後まで後ろの救護隊員に背のうを抱えられながらやっとの行軍であった。だらだら坂がまだまだ続く、右手に円福寺の大きな仁王様がマッターというように立ちはだかっている姿もR隊員の目に入らなかっただろう。私立保育園お庭の真横を通過。
10 交差点で一休み。
12 西台1丁目交番、交差点青信号まで15秒間の休息。肩で息している。西台町会掲示板に「いきいき暮らす緑と文化のまち“板橋”」と表示がある、板橋区には緑色の顔のR隊員と文化は似合わない。
15 R隊員は身体を傾け何度も腰をひょいっと上げる、背のうの重さで肩に食い込むのだろう。
16 マンションの続く町並みで、速く終わらねーかな~と空を見つめるR隊員。路地裏の機動隊やパトカーなど路上駐車している。
17 R隊員の脇では、町工場に着いたトラックからの荷おろしに忙しい従業員「今日は何だ、聞いてないよ」。
21 公園脇では戦時中海軍兵士だった父親の遺影を胸に隊員たちへ無言で訴える女性の姿があった。昭和18年出征し昭和19年7月19日に戦士したという。R隊員のうち一人は遺影をじっと見つめていた。
23 R隊員6班の最後尾、西台3丁目住宅街や工場を通る。
26 板橋区から練馬区へ入る東武線踏み切り。板橋区側の交差点に制服の警官が一人いる。踏み切りの向こうとこちらから大きな声で行進ハンターイと聞こえてくる。日の丸の声援もある。
28 上り下りの電車が通過してやっと、R隊員が前進を始めた、すれ違いにお蕎麦屋さんの出前や自転車がスピードで走りぬける、杖をついたお年よりもよろけながら狭い踏み切りを渡っていく、大変危険な場所だ。
29 レンジャーおことわり! 命を守ろう! といったプラカード多数。テレビ局が反対する女性にインタビュー。R隊員は道路を斜め横断して電車が見える公園側へ移動。小さな子供たちがなにがおこったかわからず呆然と見ている。R隊員4隊目は道を間違えて環状8号線よりに右折するところを直進した。その影響もあり区立保育園児と、お地蔵様のある商店街交差点で遭遇、緑色に塗ったR隊員の顔をみて園児たちが泣き出した。
31 駐車場脇をあいかわらず救護係りが背のうを支えられながら下向きにやっと歩くR隊員。北一商店街の交差点を通過。
34 田柄緑道と北一商店街の間の通学路になっている路地裏を車道右側を通行。自転車修理屋さんや宝石屋さんなど商店主たちに聞けば「良かった、商店街を通らなくて、あんたたちの持ってきたビラみんなに見せたよ、高校生は危ないよねと言っていた。有難う」と一部の人たちの反対ではなく商店街の店主たちも一緒になって商店街を行進することを阻止した。
35 R隊員もうだめと目はうつろ手がだらんとたれていた。廃人のようなありさまだ。
37 R隊員が差し掛かった北町小学校正門前。テレビカメラが入り報道関係者でいっぱい。子供たちは何が起きたのか騒然としている、丁度、20分休みの時間帯だ。休み時間が終わっても子供たちは教室に戻らなく、先生たちが児童に速く戻りなさいと叫び続けた。師団広報班長は何を間違えたか小学校校門前で子供たちに向かって敬礼をして立ち去った。住民から「なにやってんだ止めろ」と批判の声が飛んだ。子供を学校に通わせるお父さんは唖然として「今回の行進の件で校長先生と話し合いを持ちたい」と自衛官を見つめていた。
38 校門を右折し自衛官官舎方面に前進、車道右側から斜め横断して左の歩道に差し掛かった、後列の隊員が「左歩道へ入れ」と怒鳴っているがR隊員はボーットしていて車道を歩き続けた。その後を数名の日の丸と30名を越すピースの旗を持った集団が続きコスプレデモ行進のようだ。
45 自衛隊官舎に先頭隊列から最後のR隊員6隊列が入り、なかなか出てこなく周辺ざわついでいる。暫し休憩だ。名誉あるエリート意識の高い頭号師団正門前でR隊員が倒れたら様にならないではないか。
46 住民が自衛隊官舎敷地に近寄れば警務隊がでかい声で「ここは防衛省の敷地だ出ろ」と怒鳴る。弁護士は「国民に対し威張った態度は如何なものか?」と一喝、隊員は静かになった。官舎内は白ヘルメットにMPと書かれた警務隊だらけとなった。正門前や沿道も警務隊と警官が警備している。練馬駐屯地正門前は川越街道を挟んで300人を越える人たちが反対のぼりやプラカード、労組や市民団体が演説。20名くらいの隊友会が日の丸小旗を振っている。
50 鬼手仏心とレンジャーのイラストのワッペンをつけたレンジャー教官が見える。やっと学生は官舎から抜け出し、反対派の待ってる正門に向かった。
51 ヘトヘトのR隊員もやっと終わるとまた空を見つめる。
55 R隊員は警務隊に支えられながら正門前の横断歩道をやっと渡り正門をくぐる。ほとんどのMPが名札も階級章も隠している。隊員たちは胸を張ってお仕事をしているとは思えない、やはり後ろめたさがあるのだろう。「軍隊はおことわり」というプラカードも目にする。
57 警官の一部は途中から交替。隊友会の人の姿も見える。警官に付き添われたR隊員は、腰をかがめやっとのおもいで歩く、顔の緑色は汗ではげはじめていた。前区議より「抗議のため集まる方が増えていき、その人数がピークのころでした。レンジャー部隊などを見て異常事態と感じた幼児は、お母さんの手をひかれながら“こわい”と言いながらこの場を立ち去った」と情報提供。
11:00 最後のR隊員が練馬駐屯地正門へ入る姿を報道陣の間から斜めから垣間見た。警官やMPの間を鮮やかなうす緑色のロープでつながれた二人のR隊員の姿を見て、まるで江戸時代の荒川の河川敷から駐屯地まで公開で歩かされる市中引き回しのように見えてしまったのは私だけであろうか。午前11時ほぼ状況終了。この後、マスコミ関係者は駐屯地の外から見えない目立たない場所でレンジャー授与式が行なわれ、R隊員と涙の家族との対面を取材した。

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