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【NPJ通信・連載記事】高田健の憲法問題国会ウォッチング/高田 健

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立憲主義の破壊と、 9条など憲法の全面的改悪への突破口としての96条改憲論

2013年5月4日

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昨年末の衆院選を経て、いま安倍首相や自民党など改憲派のなかから、96条改憲論が堰を切ったようにあふれ出している。 マスメディアもそれぞれにこれを論じ、また様々な人びとがこれに対応して動き出すなど、参院選後をにらんで96条改憲問題が急浮上している。
安倍首相は4月15日、読売新聞のインタビューで、憲法改正に向けた事実上の 「工程表」 を明らかにした。それは以下のようなものである。

(1) 夏の参院選で勝利し、改正に前向きな3分の2の勢力を確保 〈2〉 幅広い支持を得やすい96条の改正に着手  〈3〉 集団的自衛権の行使に関しては憲法解釈の変更で対応――というものだ。 ……首相はインタビューで、憲法改正を志向する理由として、「制定から60年以上が経過し、中身が時代に合わなくなっている」などと強調。 米国で6回、フランスで27回、ドイツで58回(いずれも昨年4月現在)それぞれ憲法改正が行われたことも指摘し、 憲法を 「不磨の大典」 として扱っている日本がいかに異例であるかを訴えた。 ……首相が、憲法改正の発議要件を定めた96条の改正を先行させるのは、日本維新の会やみんなの党など幅広い支持を得る手応えを強めているからだ。 維新の会の橋下共同代表は、96条改正に賛同する考えを表明しており、首相もインタビューで、9日に橋下氏と会談した際、 「(96条改正に関する)基本的な認識は一致できた」 と明らかにした。(4月16日  読売新聞)

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安倍首相は明文改憲を96条から始めることとあわせて、集団的自衛権の憲法解釈の変更をすすめるという両面作戦に取り組もうとしている。
本誌はこの間、集団的自衛権の憲法解釈の変更の問題点は幾度も論じてきた。 そして、96条改憲論についても、すでに 「市民連絡会」 はリーフレット 「ガンバルクイナの96条改憲 知ってる?」 を発行し、問題点を指摘してきたが、 本稿では改めて安倍首相らが企てる96条改憲の問題点を以下の4点に整理して批判しておきたい。

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